[特集]コロナ禍で打撃…明暗分かれる業界・企業、苦境に挑む若手社員

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 新型コロナウイルスの感染拡大による打撃が大きかった業界では、採用環境が悪化し、志望する学生が激減した企業も多い。一方、そうした厳しい環境にあえて飛び込んだ先輩たちもいる。各企業の経営改善への取り組みや、コロナ下で就職した若手社員の思いを紹介する。(江原桂都)

飲食業界…サイゼリヤ

◇小山由貴(ゆきたか)さん(23)・21年春入社
■入社の経緯
 味や産地へのこだわりにひかれ、サイゼリヤを受けました。20年1月に内定を得た時は、コロナ禍で業界が厳しくなるとは想像もしませんでした。先行きが不安な時もありましたが、先輩社員などとオンラインイベントで話すうち、具体的な生活がイメージでき、入社の決心がつきました。

■現在
 都内の店舗に配属され、初めは会計のミスもありましたが、今はお客さまの笑顔を見るのが幸せです。生きるのに「食」は欠かせません。コロナ禍の苦境でも生き残ると信じています。

◇人材開発部採用課 一瀬ちひろさん(40)
 20年春は全国約1100店のうち約300店が臨時休業や時短営業を余儀なくされ、客数、売り上げとも6割減に。その後はテイクアウトや食材の販売にも力を入れました。飲食店が減った今こそ、出店数を増やすことが雇用などの社会貢献になると考えています。
〈メモ〉
 1973年設立のファミリーレストラン大手。本社は埼玉県吉川市。連結売上高1265億円(21年8月期)。今春の新卒採用は48人。22、23年卒はそれぞれ約50人を予定。

運輸業界…フジドリームエアラインズ(FDA)

◇小西真愛(まなみ)さん(24)・20年秋入社
■入社の経緯
 20年春、旅行会社に就職しましたが、コロナ禍で仕事がなくオンライン研修ばかり。これを機に、憧れていた客室乗務員(CA)を目指そうと考えました。大手が軒並み採用を控える中、募集がないかネットで毎日チェックし、FDAに応募。徹底した企業研究で選考を通り、転職しました。

■現在
 今春からCAに。地域と地域、地域とお客さまをつなぐ仕事にやりがいを感じます。コロナ禍はいつか終わるものだし、CAはどうしてもやりたい仕事だったので悔いはありません。

◇総務部人事部長 小山仁さん(48)
 感染状況に応じて断続的に運休したため大幅な赤字です。7割ほどだった搭乗率も20年度は3割台に。乗客減を補うため、富士山上空などを飛ぶ遊覧飛行に力を入れています。地域の社会・経済に貢献する企業なので、厳しくても使命感を持って続けています。

〈メモ〉
 物流大手の鈴与(静岡市)が設立した航空会社。名古屋、静岡、福岡などを拠点に21路線運航する。今春の新卒採用は20人弱。22、23年卒も同程度を予定。

宿泊業界…星野リゾート

◇小川なつみさん(22)・21年春入社
■入社の経緯
 人を笑顔にしたくてイベント業界を目指しましたが、コロナ禍で軒並み採用がストップ。選考中の企業がなくなった時に出会ったのが星野リゾートでした。苦境をユニークな工夫や新サービスで乗り切る姿勢にワクワクしました。選考には自然体で臨むことができ、内定をもらえました。

■現在
 山梨県の施設で接客から清掃まで幅広く担当。毎日新しい出会いがあり、旅という「誰かの非日常」に関わっています。コロナ禍もいつか収束するので、長い目で見るのがいいのでは。

◇人事グループ 鈴木麻里江さん(34)
 20年4~5月はグループ全体の稼働率が8~9割減という厳しい状況に。対策として、「3密」を避け近場で旅を楽しむ「マイクロツーリズム」に力を入れました。旅の意義や喜びが改めて見直されており、収束後を見据え、21~22年に12施設を開業する予定です。

〈メモ〉
 「星のや」「界」「リゾナーレ」などのブランド名でホテルを全国展開。本拠地は長野県軽井沢町。21年の新卒採用は191人。22、23年卒とも約700人を採用する予定。

売り上げ減少、6割の企業で

 帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響があった2020年度決算の企業業績では、全産業約10万7000社のうち売り上げが減少した企業は58.3%に達した。業種別の平均減少率は「宿泊業」の28.5%減が最も大きく、「飲食店」の17.4%減、「娯楽業」の16.3%減が続いた。増加率のトップは「電気通信・郵便」で11.0%増だった。「運輸」は、航空や鉄道など旅客輸送の打撃が大きい一方、貨物輸送はネット通販など電子商取引(EC)の拡大で堅調だといい、同じ業界内でも明暗が分かれた。

かけがえのない企業か、見極めを…専門家から

◇東洋経済新報社「会社四季報 業界地図」編集長 西沢佑介さん
 コロナ禍で苦境にある業界を志望する場合、感染収束後も生き残る企業なのか見極めることが大切です。「本当は必要とされているが、消費が一時的にせき止められている」「ほかでは代替できない価値を提供している」がポイントになります。これを機に事業を見直し、必要とされる企業へと切り替えつつある例もあります。説明会に参加したり、社員に質問したりして情報収集し、入念に企業研究をしてみてください。

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