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    大学生の就職活動に関する最新のニュースや話題を紹介します。

    指針廃止 不利な中小を支援

     大学生の就職活動の日程を定めた経団連の指針が2021年入社組から廃止され、中小企業への影響が懸念されている。政府は現行日程の維持を決めたが、形骸化に歯止めはかかりそうもなく、採用に資金や人手が割けない中小企業を自治体が支援する動きも出ている。(金来ひろみ)

    企業の魅力紹介 都が事業

     10月中旬、従業員13人の広告会社アティックプロモーション(東京都渋谷区)で、大学生らが対象のインターンシップ(就業体験)が行われた。東京都が費用を負担し中小企業の支援につなげる事業の一環で、参加した学生6人は、平野友明会長から広告の手法を学び、洗剤や飲料の試供品のアイデアを出し合った。

     私立大3年の女子学生(21)は「大手との違いが分かった」と感想を述べ、平野会長は「専任の人事担当がおらず学生の採用には苦労しているが、相手を深く知るという意味で互いにいい機会になった」と話した。

     東京都の支援事業は、学生の大手志向や企業研究の不足が、入社後の早期離職など「ミスマッチ」の一因になっているとして、中小企業の魅力も知ってもらおうと16年度から本格的に始まった。当日のプログラムの設計や運営は、都が委託する事務局が支援し、17年度は200社以上がこの事業でインターンを実施した。

    情報提供大学が強化も

     政府の関係省庁連絡会議は29日、21年の入社組について、会社説明会を「3年生の3月」、面接などの選考を「4年生の6月」に解禁とする現行日程の維持を決めた。

     ただ、将来的に採用日程のルールはなくなり、いつでも採用できる「通年採用」が広がる可能性もある。中小企業の採用活動はこれまで、大手の採用が一段落してから本格化することが多かった。平野会長は「通年採用なら時間をかけて大手にない魅力を知ってもらえる反面、内定を出した学生をつなぎ留めることが一層難しくなると思う」と話す。

     リクルートワークス研究所によると、来春卒業予定の大学生・大学院生1人当たりの求人数を示す求人倍率は1.88倍の「売り手市場」で人材獲得競争が激しい。規模が小さい企業ほど採用難は深刻で、従業員数1000人未満で3.97倍、300人未満は9.91倍に達している。

     優良企業と連携した就職支援を続ける亜細亜大の成田剛キャリアセンター部長は「大手志向の学生が中小にも目を向け、ミスマッチを防げる情報提供を強化したい」と話す。

    2018年11月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun