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コロナ禍で安定性を優先し就職した先輩が、早くも「仕事がつまらない」と言っています。経営状況はどこまで重視すべきでしょうか。(拓殖大3年男子)
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A 望む働き方の言語化が大事
回答者 田中研之輔さん

先輩の感じる「つまらなさ」は、おそらく次の四つから来ています。〈1〉環境=学生の頃のように思い通りにできない〈2〉認識=思い描いていた仕事と違う〈3〉裁量=仕事を任せてもらえない〈4〉展望=今後のキャリアが見えない。
経営基盤が確立された企業は新入社員も多く、マナーなどを習得する研修が続きます。イメージしていた仕事とのズレや、若手の裁量の小ささに戸惑い、「仕事ってこんなに地味なのか」とショックを受けることでしょう。組織の一員となり、これでいいのかと悩むようになるのです。
就活では、この2点を意識してください。まず、経営状況は重視しましょう。上場企業ならIR(投資家向け)資料に目を通すこと。次に、自分が望む働き方を言語化しましょう。3年後までにどんなスキルを身につけ、どんな仕事をしたいのか書き出すのです。すると、企業の選び方も変わってきます。これは就職後も続けましょう。キャリアの展望はバージョンアップし続けるものなのです。
「つまらない」というのは自己認識に過ぎません。目の前の仕事に意味を与え、日々を充実させるのも社会人としての大切なスキル。社会人になったその日に変身できるわけではないので、学生のうちからキャリアについて考えておきましょう。
(法政大キャリアデザイン学部教授)