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    南島原・原城VRでよみがえる、9月から端末無料貸し出しも

    • 画面に映し出されるVRの映像(南島原市提供)
      画面に映し出されるVRの映像(南島原市提供)

     長崎県南島原市は今月、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「原城跡」の築城時などの様子を、仮想現実(VR)の技術を使って紹介する取り組みを始めた。スマートフォンなどのアプリを通じて見ることができ、9月1日からはタブレット端末を無料で貸し出す。担当者は「城の姿をイメージでき、文化的な価値をこれまで以上に分かってもらえるはず」と期待している。

     原城は1598年から1604年にかけてキリシタン大名の有馬氏が築城。領主が松倉氏に代わり、18年に廃城となった後、37年に起きた島原・天草一揆の主戦場となった。一揆には2万人以上のキリシタンや農民が参加し、幕府による鎖国の強化につながったとされる。

     現在は高さ約3メートルの石垣などしか残っておらず、訪れた観光客から「城があった頃の状況が分かりづらい」といった声が寄せられていた。このため、市は昨年12月からVRの制作に着手。史料や発掘調査の結果を参考に、コンピューターグラフィックス(CG)で築城時や一揆時の城の様子を再現した。

     凸版印刷(東京)が提供するVR観光アプリ「ストリートミュージアム」を起動させたスマートフォンやタブレット端末を指定された場所でかざすと、音声案内が流れ、本丸や門などを再現したCGの映像が画面上に映し出される。上空から城を見下ろせる機能もあり、当時の全体の様子を知ることもできる。

     南島原市世界遺産推進室によると、原城跡では世界遺産登録後、観光客が例年の約2倍に増えているという。伊藤健司副参事は「VRを通じて原城跡の歴史をより深く知ってもらいたい。今後は映像の上映会なども行っていきたい」と手応えを示した。

     「ストリートミュージアム」は、アプリ配信サイト「グーグルプレイ」や「アップストア」から無料でダウンロードできる。タブレット端末は原城跡の総合案内所で貸し出し、開所時間は午前9時~午後5時。

     問い合わせは市世界遺産推進室(0957・73・6706)へ。

    2018年08月29日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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