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    世界遺産

     

    信仰具の全容調査へ、潜伏キリシタン散在数百点…長崎県来年度から

     世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)と関係する信仰具について、長崎県は来年度から、全容把握のための調査に乗り出す方針を固めた。各地の博物館などに散在している信仰具は数百点に上るとみられ、県は調査結果を基に国の文化財指定を目指す。

     信仰具は、聖母マリアに見立てた観音像「マリア観音」や「メダイ」(浮き彫りのメダル)、聖画など、潜伏キリシタンが祈りをささげる際に用いた道具。博物館や教会、一般信徒の自宅などに保管され、全体像はわかっていない。県は、6月の世界文化遺産登録を前に、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)との協議の中で、保存を求められていた。

     調査では、それぞれの信仰具を撮影して、図面を作成。所蔵までの経緯などの記録とともにデータベース化する。情報を一体的に管理することで、保存の徹底につなげたい考えだ。来年度の調査事業として文化庁に補助を申請する予定で、調査期間は約3年を見込んでいる。

     各地に残る信仰具の中には、実際に信徒によって使われていたという裏付けのないまま保存されているものもあり、県は所有者への聞き取りや文献による事実確認も行う。本物と認められた信仰具については、国の文化財への一括指定を視野に入れている。

     県世界遺産課の担当者は「文化財にすることで保存につなげるとともに、調査を通して当時の信仰の状況を明らかにしていきたい」と話している。

    2018年12月04日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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