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    歴史・文化財

    島原城石垣を正確に復元 12年に豪雨で崩落

    • 大雨で崩れた当時の石垣(2012年6月)=いずれも若林圭輔撮影

     2012年6月の豪雨で石垣が崩落した長崎県島原市の島原城で、石垣の復元工事が終了した。崩壊前に撮影されていた写真を手がかりに、約800個の石をジグソーパズルのように正確に組み直した。全国の城郭の多くが築城から約400年経過し、崩落の危険性が高まる中、識者は「文化財指定を受けていない城郭で、大がかりな復元に成功した事例だ」と評価している。

     島原城は市を代表する観光名所の一つだが、国や県の文化財指定は受けていない。豪雨で本丸西側の一部(幅24メートル、高さ11・5メートル)が崩落した。

     市教委などによると、未指定の城を修復する場合、文化庁から費用は出ず、一般の土木工事として行われることが多い。コンクリートを流し込んで石を固めれば、元通りに組み直す場合に比べて工期は半分以下、費用も3分の1程度で済むが、市は国や県の文化財指定を目指し、元通りに復元する方法を選択。約1億1000万円かけ、12年12月に着工、今年3月末に完成した。

     復元は、市教委の文化財担当の宇土靖之さん(40)が石垣の形状を確認するため11年に撮影していた写真を使って行われた。写真に格子状にマス目を描き、一つひとつの石に番号を振って、正確な位置を把握。崩落してバラバラになった石の中から、形やコケの状態が同じものを探し出し、積み上げていった。

     島原城の石垣は、自然石を割って載せる「野面のづら積み」と呼ばれる方法で築かれており、石の形がそれぞれ異なっているため、8割以上の石を元通りの場所に戻すことに成功。石が砕けた部分は、同じ石質の島原半島産の石で補った。

    2014年04月06日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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