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    歴史・文化財

    雨情が作詞「柳井小唄」、「上関どんでん節」も…名所や情景詠む

    • 湘江庵に建つ柳井小唄の歌碑
      湘江庵に建つ柳井小唄の歌碑

     童謡詩人・野口雨情(1882~1945年)の孫で、野口雨情生家資料館(茨城県北茨城市)代表の野口不二子さん(75)が14日、山口県柳井市文化福祉会館で講演を行う。雨情が作詞した「柳井小唄」「上関どんでん節」が縁で実現。不二子さんは「児童文芸誌『赤い鳥』の創刊で『童謡』という言葉が誕生して、今年で100年。童謡の良さを見直すきっかけになれば」と話している。

     雨情は茨城県出身で詩人や民謡作詞家として活動。1918年創刊の「赤い鳥」を契機に盛り上がった童謡運動では、北原白秋や西条八十やそらと共に中心的な役割を果たし、「赤い靴」「七つの子」「雨ふりお月さん」などの有名な童謡を作詞した。

     柳井小唄は35年に柳井に招かれた際に作詞したもので、7番までの歌詞に「大師山」「湘江庵しょうこうあん」「柳井港」などの地元の名所を詠み込んでいる。上関どんでん節もこの際に作られたとみられ、18番までの詞で、町の情景をうたっている。

     雨情は全国各地でこうした歌を残した。不二子さんは「子どものために童謡をつくり、その普及のため全国に出向いた雨情の思いと、『まちに文化を残したい』という地元の方々の情熱とが重なった成果だと思う」と評価する。

     柳井小唄にある名所のうち、湘江庵など6か所に歌碑が建てられ、上関どんでん節は町史に記載されている。ただ、今では地元でも知る人が少なくなってしまった。

     「先人の思いに応えたい」として、講演会の準備を進めてきた柳井商工会議所の藤麻功会頭は、「これを機に、柳井小唄を改めて広めて観光振興にもつなげたい」と意気込む。

     当日は午後2時から講演。その後、雨情作詞の名曲を会場の全員で歌う。会を主催するまちづくりNPO法人「ダンデライオン」のメンバーがギターとアコーディオンで伴奏する。問い合わせは、同NPOの大野重則副理事長(0820・23・4778)へ。

    2018年06月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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