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    歴史・文化財

    鶴丸城楼門復元本格化へ、今秋にもネットなどで現場公開…寄付額は5億円突破

    • 焼失前に撮影された御楼門=県歴史資料センター黎明館蔵、玉里島津家資料(部分)
      焼失前に撮影された御楼門=県歴史資料センター黎明館蔵、玉里島津家資料(部分)

     島津家の居城だった鹿児島市の鶴丸城(鹿児島城)跡地に、御楼門を復元するための工事が今秋にも本格化する。総事業費約9億円のうち、県と鹿児島市が4割、残りは民間の寄付で賄うが、寄付額は既に5億円を突破。島津家ゆかりの地域からも支援を受けており、鹿児島国体が開かれる2020年3月に完成する見通しだ。

     御楼門は鶴丸城の象徴的存在で、国内最大級の武家門だったとされる。高さ約18メートル、幅約20メートルの木造2階建て。1873年(明治6年)に一部の礎石などを除き、火災で焼失した。城跡は県の史跡に指定されている。

     復元に向けた動きは2012年頃、民間主導で始まった。鹿児島の新たな観光拠点として、経済団体を中心に整備を望む声が上がり、同年秋に検討委員会が発足。建設費を賄うための寄付金集めが進み、これまでに地元企業や市民から寄せられた浄財は約5億4000万円に上る。

     支援の輪は他県にも広がった。江戸時代、幕府の命を受けた薩摩藩が手がけた木曽三川の大規模改修工事「宝暦治水」が縁で、県と姉妹県盟約を結ぶ岐阜県は、「宝暦治水の恩返し」として樹齢約300年のケヤキを無償提供。島津義弘が一時、居城を構えた湧水町からも木材が贈られた。

     官民でつくる建設協議会は5月、鹿児島市内で総会を開き、9月上旬に起工式を行うことなどを盛り込んだ事業計画案を承認した。事務局の県によると、建設工事は昨年9月から一部で始まっており、年内に基礎工事や瓦の製作に取りかかる。

     復元への機運を高めるため、工事現場の様子をインターネットで公開したり、伝統的工法を見学できる通路を設置したりする。復元プロジェクトを先導する鹿児島経済同友会の玉川文生・特別幹事は「完成が見える段階に来た。建設の過程を多くの人に見てほしい」と話している。

    2018年06月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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