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    歴史・文化財

    松陰友人宛て書簡発見、僧との出会い記す…思想に影響

     山口県萩市の松陰神社は22日、吉田松陰(1830~59年)の新たな書簡が見つかったと発表した。松陰が尊王攘夷じょうい思想を持つ過程で影響を受けた僧との出会いについて友人に宛てて記したもの。

     僧は広島県呉市出身の宇都宮黙霖もくりん(1824~97年)。萩市の野山獄に入獄中の松陰に対し、1855年9月、手紙を出して親交が始まった。

     見つかったのは、黙霖を松陰に紹介した萩藩士の家臣、土屋蕭海しょうかいに宛てた同月25日付の書簡。松陰は「其志気不凡方外之一心交を得候(その志と気は非凡なものがあり、心と心の交わりを得ることができました)」と記し、黙霖を高く評価している。書簡は蕭海の弟から譲り受けた人物の子孫(東京)が8月、同神社に寄贈した。

     桐原健真・金城学院大教授(近代日本倫理思想史)は「松陰は尊王論のあるべき姿について黙霖から目を見開かされた。2人の関係の始まりを示すものとして価値がある」と話した。

     書簡は来年4月8日まで、同神社宝物殿「至誠館」の特別展で展示されている。

    2018年10月23日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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