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    歴史・文化財

    鎌倉時代のご飯の塊、志布志・安良遺跡で九州初出土

    • 安良遺跡で出土した、炭化したご飯の塊(県文化振興財団埋蔵文化財調査センター提供)
      安良遺跡で出土した、炭化したご飯の塊(県文化振興財団埋蔵文化財調査センター提供)

     鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センターは、志布志市志布志町安楽の安良遺跡で、約800年前の鎌倉時代に炊かれたご飯の塊が、炭化した状態で出土したと発表した。調理された米の出土例は九州初で、炭化した穀類としては県内最古。同センターは「当時のコメの調理形態を示す貴重な遺物」としている。

     東九州自動車道の建設事業に伴い、2016~17年度に安楽川の東側約7400平方メートルで発掘調査を行い、縄文時代から近代までの遺構などを確認した。このうち、中世の遺構があった場所で複数の柱の穴から、炭化した穀物の塊3点が出土した。

     外部の研究機関に分析を依頼したところ、うち1点(長さ8センチ、幅6・5センチ、厚さ2・8センチ)が12世紀後半~13世紀中頃の鎌倉時代に調理されたご飯だったことが分かった。塊の一部は平らで、コンピューター断層撮影装置(CT)の画像などから、弁当箱のような容器に収められていた可能性がある。コメの品種などは分かっていない。他の2点は稲穂などのもみが炭化した塊だった。

     県内ではこれまで、横川城跡(霧島市)など3か所で炭化した穀類の塊が出土しているが、いずれも室町時代以降のものだった。

     周辺では皿などの土器や古銭も出土しており、一帯に何らかの儀礼や祭事を行う施設があった可能性もある。調査に関わった佐々木由香・早稲田大非常勤講師は「一つの遺跡で炭化したご飯ともみの塊が同時に出土した例は、全国的にも少ない」と話している。

     今回の出土品は霧島市の上野原縄文の森で開催中の企画展「道路の下の物語」で展示中。25日まで。問い合わせは同センター(0995・70・0574)へ。

    2018年11月16日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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