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    歴史・文化財

    魚雷発射場跡ガイド、川棚町が養成実績重ねる

     戦時中に魚雷の検査などが行われた川棚魚雷遠距離発射場跡(長崎県川棚町)で、川棚町が養成したボランティアガイドが今年度から活動を始め、実績を積み重ねている。10月には、初めてとなる修学旅行生の受け入れも実現。地元では、平和学習の場として定着するとともに、町内外からの見学者が増えて交流人口が拡大することへの期待が高まっている。

    ◆今年度開始見学者375人

     同発射場は、旧日本海軍が1918年(大正7年)に開設。戦時中、佐世保や長崎で製造された魚雷が持ち込まれ、最終的な検査や調整が行われた。現在は空気圧縮ポンプ所跡のほか、海に突き出た射場跡、水槽跡などを見学できる。

     これらの戦争遺構を後世に残すため、町は一帯の敷地約3・8ヘクタールを国や個人から購入したり、借り受けたりして、2015年に片島公園として整備した。

     一方、町は遺構の利活用策の一環として、16年度からボランティアガイドの養成を始めた。受講者は川棚史談会の会員による講座で歴史を学び、佐世保市針尾地区にある旧日本海軍の無線塔で行われているガイドの視察、バスガイドを相手に案内する実地研修などを重ねた。現在、受講者9人のうち、40~80歳代の8人がボランティアガイドとして登録している。

     ガイドらは今年4月から活動を開始。案内の際には、全長約5・5メートル、直径0・45メートル、重さ約850キロの魚雷の実物大の絵を見せたり、各施設の名称と写真などを貼り付けた手作りのスケッチブックを示したりしながら説明に取り組んでいる。

     ガイドの一人、みつぎ修さん(69)は「どんな話し方だと理解してもらえるか、ユーモアも交えてみようか、と考えながら案内してきた。若い人が見学に来てくれたことがうれしかった」と振り返る。

     これまでに訪れた見学者は、滋賀県の会社や福岡県の大学生、町内の小学生など10団体計375人に上る。10月24日には、福岡県志免町立志免南小の児童86人が修学旅行で訪問。ガイドらが総出で案内した後、児童らがお返しに合唱を披露するなど交流を深めた。

     同史談会会員として養成講座の講師も務めた、ガイドの古川恵美さん(43)は「今はのどかな町でも、かつては戦争の影響があった。訪れた人たちが遺構を見ることで、なぜ戦争が起きたのか、平和とは何かを考えるきっかけにしてほしい」と願う。

     町内には同発射場跡のほか、魚雷の部品を製造・格納していたとされる建物や、特攻艇「震洋」の模型を展示する町郷土資料館もある。町の担当者は「戦争遺構をきっかけに、川棚のことを広く知ってほしい」と話している。

    2018年11月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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