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    熱々うどん自販機人気、昭和の趣根強いファン…山口・ドライブイン

    • 自販機のうどんを買い求める人たち
      自販機のうどんを買い求める人たち
    • 濃いめの味付けでボリュームもある肉うどん
      濃いめの味付けでボリュームもある肉うどん

     お金を入れて待つこと約30秒、取り出し口から温かいうどんが出てくる――。昭和50年代に全国に普及したうどんの自動販売機が、山口市鋳銭司のドライブイン「長沢ガーデン」で今も24時間、フル稼働している。常連客だけでなく、遠方からのファンもいるなど、人気ぶりは健在だ。

     先月24日の昼下がり。山口県周南市大神の会社員はうどんをすすり、「このうどんがドライブの目的。濃いめのスープと具材がうまい」と満足そう。国道2号沿い、長沢湖畔にある同施設は1967年(昭和42年)の創業。宿泊施設や温泉、レストランなどを備え、屋外には自販機や軽食の売店が並ぶ。その一角にあるのが、75年発売の富士電機(東京)製「めん類自動調理販売機」2台だ。

     食品自販機を特集した「日本懐かし自販機大全」(辰巳出版)によると、麺類の自販機はかつて、全国のドライブインや宿泊施設などで他メーカー分も含め数千台が稼働していた。

     だが、24時間営業のコンビニ店などが増え、富士電機も95年で製造を中止。現在、全国で稼働しているのは100台程度という。数年前からテレビやネットメディアで取り上げられ、昭和レトロを懐かしむ人たちや、物珍しさにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で発信する若者の間で人気となっている。

     県内ではここと、岩国市の欽明館自動販売機コーナー(川西3)、観音茶屋(美川町南桑)の3か所だけ。長沢ガーデンの自販機は、やや濃いめの味付けが特徴だ。天ぷら、肉、きつねの3種類があり、価格は各300円。器を高速で回転させて湯切りをする構造のため、具材は飛び出ないように麺の下に隠されている。

     店長の武永秀樹さん(33)によると、平日でも100杯、週末になると200杯以上売れることも珍しくないという。「平成最後の冬に、昭和の風情を味わってほしい」と話している。

    2019年01月11日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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