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    ハブ毒遺伝子特定、全ゲノムを解読新薬に活用期待…九大チーム

     鹿児島県・奄美地方や沖縄本島などに生息し猛毒を持つ日本固有種のヘビ「ハブ」の全遺伝情報(ゲノム)を、九州大学の柴田弘紀准教授(遺伝学)らのチームが解読した。毒液の成分の遺伝子群も判明し、新薬の開発などにつながると期待されている。論文は26日、英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

     チームによると、解読の結果、ゲノム全体の大きさは人間の半分(14億塩基対)だった。遺伝子の数は人間とほぼ同じ約2万5000個で、うち毒液を構成する60個の遺伝子も特定した。

     進化の過程で、ゲノムが倍増する「全ゲノム重複」と呼ばれる現象が発生した際に毒の機能を獲得したという。

     ゲノム解読により、毒を中和させる血清より安価で生産しやすい抗毒素や、細胞組織を壊す毒の成分を血栓の阻害に応用した治療薬の開発などが見込める。柴田准教授は「駆除対象でしかなかったが、新薬開発などで有益な生物になるだろう」と話している。

    2018年07月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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