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    遠賀川の「生態系ネット」、流域自治体や国で発足…情報共有啓発で連携

     遠賀川流域の生態系の保全・再生に向けて、流域市町村や国、福岡県でつくる「遠賀川流域生態系ネットワーク形成推進協議会」が発足した。互いに情報を共有しながら、干潟や湿地の保全、外来生物の駆除、子どもたちが自然について学ぶ環境学習などに連携して取り組む。

     遠賀川は明治時代以降、石炭産業の発展や流域人口の増加などで水質が悪化。流域の下水道普及率も低く、水質は九州の一級河川の中でワースト上位にある。近年はアユやナマズなど在来種の生育環境が失われる一方、ブラックバスなど外来種の繁殖が問題となっている。

     こうした現状を受け、国交省遠賀川河川事務所(福岡県直方市)が2015年、学識者らによる検討委員会を設置。遠賀川の課題や将来像などを話し合い、協議会設立に向けて準備を進めてきた。

     協議会は飯塚市や直方市、田川市など流域21市町村と国交省、環境省、県で構成。流域の自然環境を、石炭産業が盛んになる明治時代以前の状態に近づけることを目指す。生物多様性を支える植物や魚類が生息できる河川や湿地の再生を図りながら、ツルやトキなど大型鳥類のえさ場となる草地や樹林の整備を進める。

     構成機関は情報共有しながら、河川の清掃活動や水源地の山林での植樹、自然に関する学習、啓発活動などに連携して取り組む。将来的には再生した流域の自然環境を活用し、農林水産物のブランド化、バードウォッチや釣り、自然観察などの観光振興に生かす考えだ。

     1日に直方市の直方いこいの村で開かれた第1回会合には、流域市町村の首長ら約30人が出席。協議会の規約や今後の活動方針などを確認した。会長を務める国交省遠賀川河川事務所の大野良徳所長は「まだまだ豊かな自然が残り、流域の貴重な財産でもある。関係者が共通目標を掲げ、環境の保全・再生に取り組んでいきたい」と話した。

    2018年08月08日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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