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    ドローン手形自由に飛行、南小国の展望所や廃校跡で…誘客動画発信で町PRも

    • 展望所周辺を飛行するドローン(15日、南小国町で、小型無人機から)
      展望所周辺を飛行するドローン(15日、南小国町で、小型無人機から)
    • 「手形」の看板を立ててドローンを飛ばす愛好家
      「手形」の看板を立ててドローンを飛ばす愛好家

     熊本県南小国町内5か所で、小型無人機「ドローン」を自由に飛ばすことができる「南小国ドローン手形」の発行が始まった。ドローン愛好家はもちろん、愛好家が動画投稿サイトに公開した風景動画を見た人も呼び込む狙いだ。関係者は、ドローンを南小国の新たな観光資源に育てようとの戦略を描いている。

     南小国町の中心部から東に約10キロ、国道沿いの脇道を上っていくとたどり着く「平野台高原展望所」。今月15日、町観光協会とドローンを使った空撮などを手がける会社「コマンドディー」(熊本市)が開いた交流会には、九州各地の愛好家15人が集まった。参加者は「飛行中 南小国ドローン手形」と書かれた1メートルほどの立て看板を脇に置き、遠くに阿蘇のシンボル・阿蘇五岳をのぞみながら、思い思いにドローンを飛ばした。

     大分県由布市の会社経営内藤和典さん(35)は空撮動画をインターネットでライブ配信。「国内には安心してドローンを飛ばせる場所がまだ少ない。操作技術の向上を図りながら、雄大な阿蘇の動画も撮れる。今度は時間帯をかえてまた来たい」と喜んだ。

     ドローン手形は、コマンドディーと町観光協会が企画した。町内にある黒川温泉街で、湯巡りのチケット代わりに使われている「入湯手形」を参考にした。発行は今月からで、これまでに約20人が利用。公園や展望所周辺、廃校グラウンドなど5か所の飛行エリアを自由に巡り、手形でもある看板を立ててドローンを飛ばす仕組みだ。各エリアの飛行許可は、あらかじめ同社が町などの地権者から得ている。

     コマンドディーの稲田悠樹社長(34)は「法律で定められた地上から150メートルの制限高度などを守れば、思いっきりドローンを飛ばしてもらって大丈夫。展望所などは観光客が少ない隠れた絶景スポットで、南小国の魅力を全世界に発信してほしい」と期待する。町観光協会の担当者は「全国的にも珍しいアイデアだろう。宿泊型の観光と組み合わせて、『遊ぶも泊まるも南小国』とPRしたい」と意気込む。

     ドローンは各自持ち込みで、手形は1日3000円。特設サイト(https://dronetegata.com/)で予約できる。問い合わせは観光協会(0967・42・1444)へ。

    ◆トラブルで規制の観光地も

     ドローンを巡っては、活用の幅が広がる一方、各地でトラブルも起きている。

     航空法では、ドローンは▽空港の上空や周辺▽人口集中地域の上空▽地上から150メートル以上の空域――では許可なく飛ばすことができないと定められている。夜間や、目視できない所への飛行なども国土交通省地方航空局長の承認が必要になる。

     東京都の上野公園では外国人がドローンを飛行させるケースが相次ぎ、都が今年3月に飛行禁止を示す英語などの看板を設置した。

     世界文化遺産・姫路城(兵庫県姫路市)でも、建物を傷付ける恐れがあるとして、姫路市は条例で罰則を設け、ドローンを規制。それでも外国人観光客が知らずに飛ばすケースは後を絶たず、市は今月11日に英語や中国語などを併記した看板を計12枚設けた。

     福岡県では、承認を得ずにドローンを国交省令で定められた30メートル未満の距離まで車に接近させたとして、同県糸島市の会社員の男(48)が今月22日に航空法違反容疑で書類送検されている。

    2018年10月24日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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