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    種子島に介護ヒーロー、高齢者を元気に「傾聴」得意技…離島の人材確保へ考案

     離島の介護人材の確保に一役買おうと、鹿児島県・種子島に先月、ユニークなご当地ヒーローが誕生した。敵と戦うのではなく、高齢者を癒やし、元気づけるのが使命。このほど動画が完成し、介護関連イベントへの出演などを通じて介護職の魅力をPRしている。

     種子島や屋久島の熊毛地域を中心に活動することから、「地域介護士ケア☆スターくまげ」と名付けられた。介護従事者のお年寄りを思う心が結集して生まれ、異変をキャッチすると要介護者のもとに駆けつけて必要なサポートをするという設定だ。

     種子島では約20年前から、ご当地ヒーローの先駆的存在「離島閃隊しぇんたいタネガシマン」が活動している。地域おこし団体の種子島アクションクラブ(TAC、約20人)が考案し、公演実績は県内外で計300回を超える。この人気に着目した県熊毛支庁が昨年6月、「介護人材の確保にヒーローの助けを借りたい」と持ちかけて実現した。

     県によると、熊毛地域の高齢化率は県内でも高く、2025年には40・31%(県全体35・16%)に達すると見込まれる。この時には15年よりも約90人多い介護人材が必要となる試算だが、なり手の確保は難しい。

     TAC代表の高磯勝俊さん(51)によると「メンバーのほとんどが介護に関する知識がなかった」ため、勧善懲悪が定番のご当地ヒーローを介護人材確保のPRにどう生かすか、島内の介護現場で働く若者と意見交換を重ねた。「等身大での表現が最善」という意見でまとまり、実際の介護従事者に変身してもらうことにした。

     約1年かけて撮影した動画も先月完成した。元気をなくしているお年寄りにケア☆スターが寄り添い、得意の「傾聴」で思いを引き出す。励まされたおじいさんは次第に気力を取り戻していく――という内容だ。

     映像は年内に島内の学校などに配る予定で、動画投稿サイト「ユーチューブ」での発信も検討している。

     県熊毛支庁保健福祉環境部の有村智明部長は「介護業界のイメージアップにつながり、島全体が元気になればうれしい」と話している。

    2018年12月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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