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    天神・博多

    旧大名小エノキに新しい根、後継樹育成明るい兆し…福岡市教委移植時期など検討

    • 「取り木」をした部分の発根の状況を確認する造園業者や市教委の職員ら
      「取り木」をした部分の発根の状況を確認する造園業者や市教委の職員ら
    • 「取り木」を施した箇所に出てきた新しい根
      「取り木」を施した箇所に出てきた新しい根

     福岡市教育委員会が後継樹の育成に取り組んでいる旧大名小学校(福岡市中央区)の敷地にある樹齢100年超のエノキに21日、新しい根が出る「発根」が確認された。市教委は「生命力の強さを感じた。樹木医と相談の上、移植する時期などを決めたい」としている。

     エノキは校舎東側にあり、高さ約13メートル、幹回り約3メートル。1945年6月の福岡大空襲で木造校舎が焼け落ちた時も、エノキは焼失を免れた。90年頃に校舎隣にビルの建設計画が浮上し、根が切られそうになった時には、卒業生らがビルの所有者に掛け合って計画を変更してもらうなどして、学校や地域のシンボルツリーとして守ってきた。

     2014年3月の閉校後も敷地内に残されたが、傷みが目立つため、市教委が4月、県樹木医会に診断を依頼。その結果、樹勢は残るものの、地表に近い幹には空洞が多く、「現在の立地環境のままでは、100年後の生育は望めない」とされた。

     樹木医は、エノキを残す方法として、後継樹の育成を提案。枝の樹皮を切り取り、その部分に湿った水ゴケをまいて新たに根を出させることで、遺伝子を受け継ぐことができる「取り木」という手法を選び、7月中旬に施した。

     この日、市教委職員や造園業者が取り木の箇所を確認したところ、7か所のうち2か所で、複数の根が15センチ程度まで伸びていることを確認した。市教委は今後、樹木医と相談し、根が出た箇所を後継樹として移植する時期や管理方法を検討する。

     市教委の高田信次・用地計画課長は「子どもたちと一緒に育ってきた歴史があるエノキを、次につなげる試みに明るい兆しが見えてきた。地域の皆さんにも取り組みを知らせていきたい」としている。

    2018年11月22日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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