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    美術館・博物館

    カネミ被害者の日常写す、血にじんだ肌着や大量の薬…「県本土の人も関心を」2日から長崎展

     長崎県内など西日本を中心に大規模な食中毒被害を引き起こしたカネミ油症問題を振り返る写真展が2~15日、長崎市茂里町の長崎ブリックホール2階ギャラリーで開かれる。企画した実行委員会は「被害者が多い五島市ではカネミ油症への関心が高いが、県全体ではそうでもない。写真展を通じて、県本土の人にも身近な問題として捉えてほしい」と呼びかけている。

     カネミ油症によってできた吹き出物から染み出した血がにじんだ肌着、被害者が服用を余儀なくされた大量の薬、原因企業のカネミ倉庫前に座り込む被害者ら――。

     「油症事件とPCB汚染を考える2018」長崎展の会場では、カネミ油症をテーマにした写真を撮り続けている写真家の河野裕昭さん(67)が、1970年代に被害者の日常を捉えた作品など約80点を展示する。

     今年で問題の表面化から50年を迎えるのに合わせ、長崎大の研究者でつくる実行委が企画。写真展では、河野さんが撮影した写真のほか、台湾で起きた同様の油症事件に関する写真や、カネミ油症の原因物質であるポリ塩化ビフェニール(PCB)について解説するパネルなども並べる予定だ。

     実行委メンバーで同大環境科学部の友沢悠季准教授(環境社会学)は「カネミ油症は2、3世への影響も懸念されているが、長い年月が過ぎ、食中毒被害があったこと自体を知らない学生が少なくない。若い世代に写真を見てもらい、関心を持ってほしい」と話している。

     写真展は入場無料。11月28日~12月18日には、長崎市文教町の同大付属中央図書館で展示数を絞って開かれる。11月30日午後2時半からは同大環境科学部棟で、河野さんが「油症事件の撮影を振り返って」と題して講演する。問い合わせは実行委(095・819・2784)へ。

    2018年09月01日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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