[ぷらざ]おでん屋さんごっこの思い出

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 寒い夜はおでんを作ろうかなという気分になる。

 子どもたちが幼い頃、夫がゴルフ大会の賞品としてもらってきた、電気で温めるおでん鍋が活躍していた。中が六つに仕切られ、木製の蓋もついていて、まるで小さなおでん屋台みたいだった。

 ある日の夕食時、ちょっとした遊び心で子どもたちに、「へい、いらっしゃい。今日は寒いから熱々のおでん、食べていってよ」と、屋台のおじさんになったつもりで声を掛けると、小学生の娘は面白がって「おじさん、ダイコンと卵ください」と乗ってきた。

 保育園児の息子にも「僕ちゃんは何がいいんだい」と話し掛けると、「あのー、おじさん。コンニャクと竹輪ください」と、緊張した面持ちで大まじめに答えてくれた。目の前にいるのは母親なのに。

 その様子が面白くて、笑いそうになるのをこらえながら、おでん屋さんごっこをした。

 帰宅の遅い夫はこの光景を知らないし、子どもたちも20年も前のことなんて覚えていないだろう。私だけの思い出の引き出しにしまっておこう。

(東京都府中市・清水ふみ子 61)

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