[すてきLIFE]大阪でホームレス支援…川口加奈さん

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松本拓也撮影
松本拓也撮影

 ホームレス状態を生み出さない社会を作りたいという思いで、路上生活をしてきたおっちゃんたちに仕事や住まいを届ける活動をしています。

 おっちゃんたちが修理した自転車を貸し出すサービスをはじめ、弁当を配る夜回りや、生活保護を受けるための相談への同行など、様々な事業を展開しています。昨年度は約300人から相談がありました。

 この問題と出会ったのは14歳の冬のことです。中高一貫の女子校に通っていた私は、電車の窓から見えるあいりん地区(大阪市西成区)が気になっていました。日雇い労働者が多く集まる街で、友人や親が避けていたので余計気になり、ひとりで炊き出しに参加しました。

 「勉強しなかったからホームレスになったんやろな」。そんな素朴な思いは、炊き出しの行列に並んでいたおっちゃんの身の上話を聞いて吹き飛びました。

 自分は、頑張るか頑張らないか選べる環境にいるけど、そうではない人もいるのだと痛感しましたね。自分と同年代の若者に襲撃されたり、路上で凍死したりしていることも知り、できることを探し始めました。

 学校の集会で作文を読み、聞いていない人がいるからと新聞を発行し、友人を炊き出しのフィールドワークに連れ出しました。知ったからには無関心でいられないという気持ちがあったと思います。

 「より根本的な問題を解決したい」と、起業したのは大学2年生の時です。あいりん地区で300円のモーニング喫茶を開き、おっちゃんたちのニーズを聞きました。自転車修理が得意な方が多いことが見えてきたので、特技を生かしたいと始めたのが自転車のシェアサイクルサービス「HUBchari(ハブチャリ)」でした。

 団体名の「Homedoor(ホームドア)」には、二つの願いをこめています。駅のホームドアのように人生の転落防止ができる存在になりたいという思いと、いつでも帰ってこられる温かい場所にしたいという思いです。

 昨年は、住まいを提供するシェルターをオープンし、長年の夢をひとつ実現させることができました。誰もが何度でもやり直せる支援のモデルを作るため、これからが本番だと思っています。(粂文野)

 

 かわぐち・かな 1991年生まれ。大阪出身で、ホームレスへの支援を行うNPO法人「Homedoor(ホームドア)」理事長。シェアサイクルサービス「HUBchari(ハブチャリ)」は現在、ドコモ・バイクシェアと協働し、大阪市内など100か所に広がっている。

449925 1 ライフ 2019/02/19 05:00:00 2019/02/19 05:00:00 2019/02/19 05:00:00 インタビューに答える、大阪を拠点にホームレス支援を続ける川口加奈さん(26日、東京都千代田区で)=松本拓也撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190218-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

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