有休取りやすく 企業工夫

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 年次有給休暇(有休)を消化しやすい工夫を取り入れる企業が増えている。仕事を他の社員に任せやすくしたり、同僚に気兼ねしないで休める時期を示したり――。国の働き方改革の一環で、4月から年5日の有休消化が義務付けられることもあり、こうした動きは加速しそうだ。

(増田真郷)

仕事を共有 引き継ぎ徹底

山ごもり休暇の前、同僚に引き継ぎを行う池田さん(右、東京都千代田区のロックオンで)
山ごもり休暇の前、同僚に引き継ぎを行う池田さん(右、東京都千代田区のロックオンで)

 ビジネス用ソフトウェア開発を手がけるロックオン(大阪)は、有休と土日などを組み合わせた9日連続の休暇の取得を全社員に義務付けている。「山ごもり休暇」と銘打ち、期間中は他の社員と連絡を取ることを原則禁止しているため、普段から仕事を複数の社員で共有し、業務ごとにマニュアルも作って引き継ぎを徹底している。

 専門性の高い技術者らがそろう同社では以前、他の社員が代われない業務が多く、有休消化率は20%台に低迷していた。2011年に山ごもり休暇を始めたところ、仕事を分担する意識が高まり、有休の消化率も上昇。昨年度は70%を超えた。人事課長の桐生明子さんは「課題を一人で抱え込まなくなり、複数の社員の目を通すことでより効率的に仕事を進められるようにもなった」と話す。

繁忙期予測 社員に示す

 東京にある同社オフィスで働く経営企画課長の池田紗弥佳さんは、結婚・出産を経てからは有休などを家族サービスに利用。現在も休暇を取得中で、春に予定する転居の準備に充てている。「家庭と仕事の両立にも役立っています」と語る。

 気兼ねせず休みを取れる工夫をするのは、家事代行サービス業のカジー(東京)。1月から、人工知能(AI)が予測した繁忙期を社員に示す試みを始めた。社員に有休を取りづらい理由を尋ねたところ、「忙しい時に休むと周りに迷惑をかける」という回答が多かったためだ。同社取締役の白坂ゆきさんは「仕事が少ない時期を可視化することで、有休を申請しやすくなるのでは」と期待する。

 休むと「ご褒美」がもらえる制度も。情報技術(IT)サービスの企画開発を行うISAOイサオ(東京)は15年に、夏季休暇期間に有休を含めた9日連続の休みを取得した社員に1万円を支給する制度を創設。昨年からは16日連続なら2万円を支給するようにした。同社代表の中村圭志さんは「休暇取得を奨励する会社の姿勢を示すことで有休を取ってもらえるようになった」と話す。

 労働基準法は、勤続6か月以上などの条件を満たした労働者に、雇用主は年10日の有休を与えなければならないとしている。国が企業や団体などに聞いた就労条件総合調査によると、17年の有休日数は平均18・2日。だが、実際に取得したのは平均9・3日で、消化率は5割にとどまった。こうした背景から、国は4月から雇用主に、年に最低5日間は有休を消化させることを義務付ける。

 リクルートキャリア(東京)で転職情報サイト・リクナビNEXTの編集長を務める藤井薫さんは、「有休を消化するためには、仕事の『見える化』で無駄を見直し、生産性を上げることが大切。義務的に休みを取るのではなく、自主的な取り組みが求められている」と話している。

458415 1 ライフ 2019/02/24 05:00:00 2019/02/24 05:00:00 2019/02/24 05:00:00 池田さん(右)は23日からの山ごもり休暇を前に同僚に引き継ぎを行う(東京都千代田区のロックオン東京本社で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190223-OYT8I50038-T.jpg?type=thumbnail

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