社外でキャリア相談…「他人」や経験者がアドバイス

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 勤務先以外にキャリアについて相談できるサービスが注目されている。副業や家庭生活との両立など、働き方が多様化する中、社内にモデルとなる先輩や上司が見つからず、社外に相談相手を求める人が増えているようだ。(宮木優美)

 

「育児できない」「不本意な仕事」

 「仕事に追われ、育児に関わる時間がとれず、共働きの妻から責められる」

 「設計の仕事がしたくて入社したのに、販促ばかりやらされている」

 2月半ばの夜、東京・大手町のビルの一室に、勤め帰りの男女約20人が集まった。3人ずつテーブルに分かれ、仕事の悩みを打ち明けあった。

 テーブルに同席するのは、仕事上のつながりがない人だけ。1人が悩みを話し、聞いた2人は「自分だったら、解決のためどんな目標を立てるか」を考え、結論を伝える。

 利害関係がないだけに、やりとりに遠慮はない。「私なら転職や独立を探る」「会社以外に興味のある小さな仕事を探してみる」など、思い切った提案が出た。

 この集まりは、人材会社のパーソルキャリアが昨年から行っている「タニモク」。キャリアに悩みを抱える人が集まり、「他人に目標を立ててもらう」試みだ。これまで約400人が参加している。同社の三石原士もとしさんは「会社の中だけにいると、副業や転職の可能性すら気づかないことが多い。他人の力を借りて働き方を考えるきっかけにしてもらえれば」と話す。

 

女性限定も

 女性だけを対象としたサービスもある。「育キャリカレッジ」は、仕事と家庭生活との両立に悩む女性が、オンラインでメンター(助言者)に相談できるサービス。組織の中で働き、育児や介護に悩んだ経験がある女性がメンターを務める。

 東京都内の公務員女性(38)は育児休業から復帰後、戦力として期待されていないと感じ、このサービスにたどり着いた。与えられる仕事量が減らされ、「仕事をください」と上司に頼んでも困り顔をされるばかりだという。管理職経験のあるメンターに相談すると、「少ない仕事を丁寧にこなし、もっとできるという姿勢を示して」と冷静に諭された。「職場では言えない不満を吐き出せて、方向性も示してもらえた」と満足する。

 利用料は1時間1万3000円からと安くはないが、サービス開始1年で延べ約100人が利用。運営会社代表の池原真佐子さんは「男性中心の会社の中で、悩みを打ち明けられないまま踏ん張っている女性は多い。働きたい女性たちに、ちょっと先を行く先輩を紹介して、キャリア形成を手助けしたい」と話す。

 昨年サービスを始めた「アリューム」は、経営者、フリーランス、会社員など様々な経歴を持つメンターと直接会って話せる。料金は1時間2000円から。自らもメンターを務める運営会社代表の大畑亮介さんは、以前働いた会社でメンタル不調に陥る同僚が多かったことから、社外の人に相談する必要性を感じて起業したという。

 こうしたサービスの広がりについて、千葉商科大専任講師の常見陽平さんは「女性管理職が増えたり、元上司が再雇用で部下になったりと、職場は大きく変化している。働く人の悩みが社内だけでは解決できなくなり、会社の枠を超えて相談できる環境が求められている」とみている。

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