テレワークでハラスメント…ビデオ会議、メールで行き違い

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適切な環境整備必要・互いへの配慮を

 新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が広がる中、ビデオ会議をめぐるハラスメントや、直接会わずにメールでやり取りすることによる感情の行き違いなどによるトラブルが起きている。企業側がテレワークの適切な環境を整えるとともに、社員一人ひとりにも互いに配慮し合うことが求められる。(福士由佳子)

 「テレワークが推奨されるようになった3月頃から、メールやチャット、ビデオ会議をめぐるハラスメントの相談が増えた」。ハラスメント防止に詳しい教育研修会社「インプレッション・ラーニング」(東京)の藤山晴久さんはこう語る。

 目立つのは、ビデオ会議をめぐるハラスメント。職場の会議に参加した女性から、男性上司に「カーテンの模様がかわいいね」と言われて不快だったとの相談が寄せられた。また、女性が自宅に居る画面を見た男性が、何も言わずにニヤニヤしていたという苦情もあった。

 背景を隠したり、音声だけでやり取りしたりする機能付きのソフトもあるが、緊急事態宣言に伴って急にテレワークを求められ、操作に慣れていない人も少なくない。藤山さんは「リスク管理の視点から、ソフトの機能を積極的に学ぶことや、仕事に関係ないものが映り込まないように部屋を片づけるなどの注意が必要」とアドバイスする。

 部下側から寄せられる相談で目立つのは、ビデオ会議ソフトなどの使い方を学ぼうとせず、頻繁に「教えて」と電話してくる上司への不満だ。応対の度に仕事が中断されるので、「立場を利用したパワハラに該当するのでは」との相談もあった。

 それぞれ別の場所に居るので、職場全体の状況がわかりづらくなったという声も寄せられた。重要なビデオ会議やオンライン飲み会に一部の人だけが呼ばれることへの不満もあったという。

 藤山さんは「コロナ禍でビデオ会議システムを使ったやり取りが増え、何がハラスメントになるのか、上司も部下もまだよくわかっていない面がある。有事のテレワークだからこそ、互いに気持ちよく働くにはどうすればいいか意識してほしい」と話す。

 一方、メールなど文章だけでやり取りする場合は、「相手の感情を読み取りづらい」との悩みがある。「表情や声で気持ちを伝えられない相手には、より丁寧なコミュニケーションが必要」と、藤山さん。例えばミスを指摘する場合、「あと一息でしたね」「次はこれで挽回しよう」などの言葉を添えると、不安な状況下では相手の受け止め方も変わるという。「文章だけで気持ちが伝えられないと感じたら、電話などで直接話すことも検討してみてください」

 人材育成会社「リクルートマネジメントソリューションズ」(東京)は3月下旬、従業員300人以上の企業で働く22~59歳の男女約2700人を対象に、テレワーク実態調査を実施。今後、必要度が高まるスキルは「文章で、人に情報や要望をわかりやすく伝えること」が79%で最も多かった。だが、自分が「できている」と思う人は43%にとどまっていた。

 社会保険労務士の三谷文夫さんは「テレワークへの移行など働き方が変わる際は、ルール作りなどを労使で十分に話し合って準備するべきだ。だが、コロナ対応で急きょ導入した職場も少なくないはず」と指摘。「十分な準備ができなかった分、問題も起きてしまいがちだが、まずは働く人同士が配慮し合うことが大切。今回の労働環境の変化を、改めてハラスメントについて考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけている。

 ■テレワークでの注意点

・ビデオ会議の前にできるだけ不必要なものが映り込まない工夫をする。他人の部屋について不必要な言及をしない

・ITツールについて自ら学び、使いこなすという姿勢を持つ

・メールやチャットなど文章だけでやり取りする際は丁寧な言葉遣いを心がける。前向きな言葉を添えるなどの配慮も

・文章だけでは通じないと感じたら、電話などで直接話してみる

 (藤山さん、三谷さんの話を基に作成)

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