コロナで変わる?「女は家庭・男は仕事」…父親の育休取得、テレワークで増えるか

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東京大学教授 山口慎太郎氏 44

 新型コロナウイルスの広がりで、私たちの生活や働き方はいや応なく見直しを迫られた。その中で浮き彫りになった課題やこれから予想される社会の変化にどう対応すればいいのか。サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞した「『家族の幸せ』の経済学」の著者で、子育てなど家族にまつわる問題を研究する東大教授の山口慎太郎さんに聞いた。(編集委員 二階堂祥生)

感染拡大時、学校をできるだけ開く方法を考える

 新型コロナウイルスの影響を家族という視点で見ると、短期的には女性に悪影響が及んでいます。女性は非正規で働いている方が依然として多く、職を失いやすいうえ、学校の閉鎖や保育園の受け入れ縮小により子どもの世話を担うことが多くなっています。「女は家庭、男は仕事」というこれまでの家族観に引きずられる形となっており、この流れが今後も強まらないか心配です。

 所得が激減した家庭などには早急な現金給付が必要で、さらには学校、保育園・幼稚園を開くことも大事です。休校・休園になると学習が遅れるだけでなく、虐待が起きていないかなどのチェックもできません。もちろん感染は防がなければいけませんが、休校・休園のリスクもかなり高い。

妻と息子1人の3人家族。2017年に東大に着任するまで米国、カナダで計16年間過ごした。「お父さん、お母さんとしての感覚や経験は国を問わず似通っていて、海外の研究から日本にも有益な知見が多く得られます」(東京都文京区の東大赤門前で)=青木久雄撮影
妻と息子1人の3人家族。2017年に東大に着任するまで米国、カナダで計16年間過ごした。「お父さん、お母さんとしての感覚や経験は国を問わず似通っていて、海外の研究から日本にも有益な知見が多く得られます」(東京都文京区の東大赤門前で)=青木久雄撮影

 感染が再び拡大しないとは限りません。その時に学校などをできるだけ開けるにはどうすればいいか、今から考えておくべきです。

 学びの場が大事だという点で特に強調したいのが、幼児への教育は社会全体にとって非常にメリットが大きいということです。

幼児教育は一生モノ。国はもっとお金を使うべきです

 私の研究グループが国の調査データを分析したところ、家庭的、経済的に恵まれない家庭の子どもが保育園に通うと、多動性、攻撃性が減ることがわかりました。本人の学力の向上に役立つのはもちろん、少年犯罪の削減につながります。

 幼児教育の効果を長期にわたって検証した米国の研究によると、きちんとした幼児教育を受けた人はそうでない人に比べて所得が高く、犯罪に手を染める回数が減り、生活保護の受給率が下がりました。幼児教育プログラムの費用対効果は、株式投資による収益率を上回ったのです。

 一方で、各国の実証研究では、幼児教育の知能面への効果はそれほど長続きしないこともわかっています。いわゆる英才教育は実施直後には大きな効果が表れるのですが、小学校に入学後、数年たつと消えてしまう。幼児教育ではやはり、対人関係を築き、課題に対してきちんと対処するという「一生モノ」の能力が身につくことが大事なのです。

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1290676 0 ライフ 2020/06/21 09:31:00 2020/06/21 09:31:00 2020/06/21 09:31:00 6月14日付朝刊「あすへの考」、「家族の幸せの経済学」の著者で、東大経済学部教授の山口慎太郎氏(6月5日、東京都文京区の東大赤門で)=青木久雄撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200617-OYT1I50040-T.jpg?type=thumbnail

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