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オンライン副業 増加…在宅勤務浸透 空き時間を活用

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 首都圏などで働きながら、副業としてオンラインで地方の企業の仕事に取り組む人が増えている。コロナ禍で在宅勤務が浸透して平日の空き時間などで気軽に働けるようになり、地域や社会に貢献したいという意識の高まりがこうした動きの背景にありそうだ。(林理恵)

地方企業に注目

オンラインで仕事のやりとりをする小沢さん(右)と画面上の伊藤さん(小沢さん提供)
オンラインで仕事のやりとりをする小沢さん(右)と画面上の伊藤さん(小沢さん提供)

 「ユーチューブを使ったプロモーションを打ちましょう」。東京都内のコンサルティング会社に勤める伊藤大起さん(25)は、食品の販売などを手がける「maruwa mart」(岩手県釜石市)社長の小沢伸之助さん(44)へ画面越しに提案した。

◎都市部の人材

 9月から小沢さんの会社が販売する漬物のネットでの売り上げを伸ばす副業を始めた。小沢さんらとのやりとりは、勤め先の勤務時間が終了した平日の夜や休日だ。小沢さんは「今まで社内になかったノウハウを持つ人材。大変心強い」と期待を寄せる。

 伊藤さんが副業を始めたのは、コロナ禍で在宅勤務が増え、自由に使える時間が多くなったことが大きい。将来は地元の山口県に戻り、デジタルやIT分野で地域貢献したいという。「まずは地域を限定せず、副業に挑戦したかった。経験を積んで今後のキャリアや将来の夢につなげたい」と目を輝かせる。

 就職情報会社「リクルートキャリア」によると、都市部に暮らしながら、地方の企業での副業を検討する人は、副業解禁の動きが広がった2018年から2年間で9倍になった。今年10月に副業希望者を対象に石川県が主催した副業マッチングイベントには参加枠を上回る応募があった。

 リクルートキャリアの古賀敏幹さん(36)は「若い人はやりがいや自身の成長などを重視して仕事をしたいと考える人が多く、副業への関心につながっている」と分析する。

 イベントに参加した、広告宣伝を担当する都内の会社員、清水覚さん(33)は11月から副業で、石川県の老舗和菓子屋「柚餅子ゆべし総本家中浦屋」の商品をPRしている。もともと、伝統産業が盛んな地域での副業を検討していた清水さんは「伝統のあるものは価値をわかりやすく伝えるのが難しい。伝える質の高さが求められるので、これまでの経験を生かし、中浦屋の商品を広めていきたい」と意気込む。

 地方の企業も地元では確保しにくいマーケティングや宣伝能力にたけた人材を採用できる。同社の社長、中浦政克さん(57)は「高い専門性を持つ人を常時雇用するのは、会社の体力的に厳しい。地方の企業と、副業にいそしむ人の双方がいいとこ取りをしながら、互いの成長、発展につなげたい」と話す。

◎橋渡しサイト

 地方の企業と副業希望者をマッチングするサイト「ふるさと兼業」を運営するNPO法人「G―net」(岐阜市)の代表、南田修司さん(36)は「コロナ禍で、会社に頼らない自立したキャリアを求める人が、副業に活路を見いだしたのではないか。場所や時間を問わないオンラインの仕事が浸透したこともあり、地方での副業を後押ししたのだろう」と推測する。並行して複数のキャリアを築く「パラレルキャリア」に詳しい法政大教授の石山恒貴さんは、「社会経験豊富な40~60代にも良い機会になる。副業先への貢献と、自分の成長とのバランスが重要だ」と話していた。

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1604915 1 ライフ 2020/11/06 05:00:00 2020/11/06 05:00:00 2020/11/06 05:00:00 オンラインで仕事のやりとりをする小沢さん(右)と画面上の伊藤さん(10月28日、小沢さん提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201105-OYT8I50108-T.jpg?type=thumbnail

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