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[安心の設計]備える終活<6>供養方法切り替えへ「墓じまい」

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 埼玉県川口市の会社役員、 鹿江かのえ 正明さん(68)は、2020年4月に妻の広子さんを亡くした。その遺志を受けて、広子さんの父母らが眠る宇都宮市の墓を、埼玉県内の寺院が永代供養する「合葬墓」に移した。

墓じまいした当時を振り返る鹿江さん(右)と竹田さん(埼玉県川口市で)
墓じまいした当時を振り返る鹿江さん(右)と竹田さん(埼玉県川口市で)

 親の希望で約30年にわたって墓守を担ってきた広子さんの5人のきょうだいは皆、宇都宮市を離れて高齢化していた。

 鹿江さんが昨秋の彼岸に、広子さんのきょうだいと墓じまい(改葬)について相談したところ、「もう、いつまでお参りできるかわからない」「ぜひ、やってくれ」と賛同を得ることができたという。

 墓じまいの予算は、広子さんが生前、用意した150万円以内でと考えていたが、予算に合う業者が見つからなかった。

 そこで、広子さんの告別式で世話になった葬儀社から業者を紹介してもらい、予算の範囲内で墓じまいを無事に完了させた。鹿江さんは、業者選定の決め手を「墓石の撤去工事や寺院への供養の依頼、役所の改葬手続きなどを一手に引き受けてくれて、親身に話を聞いてくれたこと」と語る。

 改葬手続きでは、新しい墓地の管理者から「受入証明書」、現在の墓地の管理者から「埋蔵(埋葬)証明書」を発行してもらうなど何かと手がかかる。

 この依頼を受けたお墓じまい総合サポート援人社(東京)の竹田繁紀代表(51)は「これからの生活スタイルに合わせた供養の方法に切り替えるのは時代の流れ。依頼者の決断に寄り添い、サポートしている」と話す。

在り方多様化

 最近の「お墓事情」に詳しい日本総合研究所シニアマネジャーの福田隆士さん(41)は、「少子化や晩婚化、未婚率の高まりといった要因で、昔ながらの墓を守ることにこだわらないという意識が広がっている」と分析する。就職などで都会へ出て地元と疎遠になり、 菩提ぼだい 寺との付き合いが面倒というケースや、夫婦でも一緒の墓に入ることを望まないケースも増えているという。

 墓じまいの後の新たな供養法には、遺骨を粉状にして海や山へまく「散骨」のほか、ヘリウムガスを注入した大型バルーンで上空数十キロへ送ったり、専用のカプセルに入れてロケットで打ち上げたりする「宇宙葬」などがある。

 福田さんは「様々な企業の参入が相次ぎ、供養の在り方はますます多様化している。故人を弔う気持ちを保ち続けるのであれば、形にこだわる必要がなくなるだろう」と話している。(野島正徳)

墓は親族も承継可能

 相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美さん(52)に墓じまいの注意点を聞いた。

 「将来、子や孫の負担にならないように」などの理由で、墓じまいを考える人が増えています。多くは、自分の子に継がせようとしますが、墓は「 祭祀さいし 財産」と言って相続財産ではないため、必ずしも子に継がせるものではありません。

 子が承継できない場合は、親族に打診してください。墓地規約の範囲内の親族なら、承継できます。お参りしたいという親族の意向を無視して進めるのはやめましょう。 菩提ぼだい 寺が管理する墓の場合は、親族内で継ぐ者がいないという事情を伝え、承諾を得る必要があります。墓がある自治体で「改葬許可証」を取得する際、書面に住職の署名をもらったり、遺骨を取り出す際に供養してもらったりします。

 手続きを円滑に進めるためにも、長年、供養してもらったことへの感謝も忘れずに。

 墓じまい後、遺骨をどこへ移すかも慎重に考える必要があります。現在の墓地の敷地内にある納骨堂や樹木葬、合葬墓など永代供養の墓という選択肢があります。散骨業者へ依頼すれば、海や山への散骨もできます。

 墓じまいには、お金と手間、時間がかかります。しかし、墓を放置し、荒れた状態にしてしまうことだけは避けたいですね。(談)

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