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牛のゲップには温室効果ガスが含まれることなどから、「環境に配慮して、牛のステーキはそのうち食べられなくなるかもしれない」とまで言われる時代。食品ロスにも厳しい目が向けられる中、難しい対応を迫られているのが「ラグジュアリー(
メモ 帝国ホテルは、明治政府主導のもと、海外の要人を迎える「迎賓館」として1890年に開業した。初代会長は「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。
フランスで気づいた、環境と食の持続可能性

特別な料理と空間を味わいに来たお客様の要望に応えつつ、食のサステナビリティー(持続可能性)や食品ロスといった問題にどう取り組むか。ホテル業界だけでなく、レストラン業界などが直面している課題です。
食の持続可能性や地球環境について最初に強く意識したのは、フランスにいた時です。
18歳で帝国ホテルに入ったものの、フランス料理を本場で学びたいとホテルを辞め、パリに向かったのは2004年、23歳の時。修業を重ね、ミシュランの星を持つ料理人、ヤニック・アレノ氏やアラン・デュカス氏と一緒に仕事をしました。
15年、パリで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開かれた時、渋滞がすごいパリの街から交通規制で車が一気に減って驚きました。環境問題の重要性を痛感するとともに、自分が担当する食の分野でも、食の持続性についてもっと考えなければと思いました。地球温暖化の影響で農作物や魚介類が以前のように育たなくなったり、畜産分野でえさの生産や飼育などの過程で温室効果ガスが排出されたりしていたためです。
帝国ホテルから声がかかって日本に戻り、約350人の料理人を束ねる立場になってからは、新しいことにどんどん挑戦しようと考えました。