「スパイスカレーはおみそ汁」組み合わせで広がる奥深さ

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印度カリー子さん スパイス料理研究家

 香辛料を自由に組み合わせて作るスパイスカレー。調理に手間がかかるイメージがあるが、気軽に楽しんでもらおうと、スパイス料理研究家の印度カリー子さん(24)は大学時代から、簡単なレシピを紹介したり香辛料セットを販売したりしてきた。学問的にも探究したいと研究テーマにした東京大大学院を今春修了し、今は地域おこしに活用するなど新たな可能性も模索し始めている。(生活部 松本彩和)

漁で使った縄がジャケットに変身…「地域アピールの機会にも」
和田康司撮影
和田康司撮影
    いんど・かりーこ  1996年生まれ、宮城県出身。著書に「ひとりぶんのスパイスカレー」(山と渓谷社)など。今年、「フォーブスジャパン」の「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれた。

レシピ本12冊、基本は「タ・ク・コ」

 「スパイスカレーっておいしそうだけど、作るのは大変だと思われがち。でも、実はとても簡単なんです」。フライパンや電子レンジでもできるという。

 提案するレシピは明快だ。基本の香辛料は「タ・ク・コ」、つまりターメリック、クミン、コリアンダーの3種類のみ。タマネギやトマトなどと一緒にいためてカレーのもと「グレイビー」を作り、肉や魚、野菜などの具材と、水やココナツミルクといったベースと組み合わせるだけだ。

香林館で販売しているスパイスセット=和田康司撮影
香林館で販売しているスパイスセット=和田康司撮影

 スパイス料理研究家として携わったレシピ本は、この3年で12冊。1人分だけ作れたり弁当にできたりするものも紹介する。

 初心者のための専門店「香林館」代表も務め、手軽に使えるスパイスセットを販売。カボチャやチキン、ポークといった具材ごとのグレイビーセットも手がけ、全国の生活雑貨店などにも並ぶ。フライパンやヘラなどの調理器具のプロデュースもする。

 スパイスカレーが家庭料理として当たり前に食卓に並ぶようにしたいという。「具材やベースを替えれば違うものになり、毎日食べても飽きない。おみそ汁に近い」と笑う。

カレーの本場・インドに旅行した時の一コマ(本人提供)
カレーの本場・インドに旅行した時の一コマ(本人提供)

大学3年でチキンカレー用セットなど300個完売

 「すごいものを見つけたと思いました」。スパイスとの出会いをこう振り返る。上京して物理学を専攻していた大学1年の時のことだ。

 同居していた姉がインドカレー店にはまっており、家で振る舞おうと、ネットで検索したレシピで初めてスパイスカレーに挑戦した。姉にはダメ出しされたが、一つずつだと鼻をつく香辛料が、少しずつ混ざると豊かな風味の本格的なカレーになるギャップに感動し、すぐにとりこになった。「それまでは飽きっぽくて、目標も将来の夢もないつまらない人間だった。初めて夢中になれるものができました」

 同時に、「こんなにおいしくて簡単なのに、どうしてみんな作らないんだろう」と疑問が湧いてきた。今でこそスパイスカレーの認知度は高まっているが、当時はそれほどではなかった。

 自分なりに分析してみると、スパイスカレーを取り巻く環境が初心者に優しくないことに行き着いた。どこでスパイスを買えばいいかや作り方が分からないし、買ったら買ったでスパイスを余らせてしまうという状況だった。

 そして思った。魅力に気付いている「19歳の女子大生」はきっと自分だけ。それならば、自分のような初心者に向けて作る楽しみを広めたいと、使命感が芽生えたという。

 試作を重ね、大学2年から印度カリー子と名乗って、ブログでレシピの投稿を始めた。「大学生でも毎日作れるとアピールすれば、ハードルも下がると考えました」

 並行してスパイスセットの企画に着手。大学3年で最初にネット販売したチキンカレー用セットなど全300個が完売したことに手応えを感じ、種類を増やした。人生を変えたスパイスのことを学問的にもっと知りたいと、研究テーマにした大学院時代に、香林館を設立した。

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