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[安心の設計]高齢者施設 面会再開の動き

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 各地の高齢者施設では、新型コロナウイルスの感染拡大で控えてきた対面での面会を再開する動きが相次いでいる。ワクチン接種率の向上などを受けた措置だ。インフルエンザが流行する冬場を控え、慎重姿勢を崩さない施設も少なくないが、厚生労働省はワクチンを接種済みの人などの面会について、再開の検討を求める方針だ。(野島正徳、村上藍)

感染対策徹底 時間限定 防護服を活用

アクリル板越しに長女(右)と面会する入居者の女性(左手前)(11月15日、東京都世田谷区の芦花ホームで)
アクリル板越しに長女(右)と面会する入居者の女性(左手前)(11月15日、東京都世田谷区の芦花ホームで)

 「お母さん、顔がふっくらして元気そうだよ」「最近はよく寝てるから」。今月15日、東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「 芦花ろか ホーム」の一室で、利用者の女性(91)が、長女(61)と透明なアクリル板越しに談笑していた。

 面会時間は20分と短いが、長女は女性の好物のつくだ煮やビスケットなどの菓子類を渡し、「健康状態や施設での生活ぶりが確認でき、安心する」と満足そうだ。

 この施設では、都が緊急事態宣言を解除した10月1日からさっそく、利用者と家族らの対面での面会を再開した。平日のみ、1日4組(1組2人まで)で15~20分間に限定。検温やマスクの着用、手指の消毒など感染対策を徹底する。

 管理係長の松井厚士さん(48)は「利用者の家族から連日、面会予約の電話が鳴っており、『会いたい』という気持ちがひしひしと伝わってくる。感染対策に万全の注意を払い、利用者と家族の再会の時間を大切にしたい」と力を込める。

 宇宙服のような防護服を活用し、対面を再開した施設もある。大阪府池田市の特養「オレンジ池田」では3月から、地元メーカーが開発した防護服5着をそろえ、家族らの面会を受け付けている。

 防護服は消毒が必要なため、1日2組(1組2人まで)の限定で、施設長の平野泰典さん(38)は「ほぼ毎日、予約が埋まるほどニーズは高い」と語る。11月に入ってからは、2回のワクチン接種完了を証明できる家族に限り、防護服なしでアクリル板越しの対面も再開した。

慎重姿勢 崩さない施設も

 千葉県鴨川市の特養「めぐみの里」は10月下旬、面会場所をロビーに限定し、1回15分で3人までに制限するなどの感染防止策を講じて対面を再開した。

 ただ、家族にワクチン接種や、PCR検査などでの陰性証明の提示を求めるとなると、プライバシーにもかかわる。施設長の茂木修さん(54)は「季節性インフルエンザの流行や新型コロナの第6波も想定される。状況を見ながら臨機応変に対応したい」としている。

 大阪市の特養「悠の里」でも10月中旬から、2回のワクチン接種記録を提示した家族には利用者の居室での面会を認めている。持病などでワクチン接種ができない家族については、感染防止のため、オンラインや施設外から窓ガラス越しでの面会に限定している。

 接種に代えて陰性証明を提示してもらう方法もあるが、現状は対面を断っている。面会日までの間の感染リスクがゼロとは言い切れないためだ。職員は「会わせてあげたいけれど、まだまだ感染拡大への不安はぬぐい去れていない」と話す。

 一方、対面の再開を見合わせる施設も少なくない。千葉県我孫子市の介護老人保健施設「クレオ」は、「感染状況が落ち着いたとはいえ、万が一のことを考えると慎重にならざるを得ない」として、面会はオンラインに限定している。

 ワクチン接種率は高まっているが、2回接種していても感染する「ブレイクスルー感染」には引き続き警戒が必要なためだ。遠隔地でも面会可能なオンラインに利用者や家族も慣れてきており、統括部長の秋元政志さん(63)は「利用者の命と健康を守る責任は重い」と説明する。

厚労省 再開検討要請へ

 政府は昨年4月の新型コロナへの基本的対処方針で、高齢者施設での面会について「緊急の場合を除き一時中止すべき」とした。高齢者は新型コロナに感染すると重症化するリスクが高いためだ。

 ただ、家族らとの交流の機会が減ることで、入居者の認知症の進行を懸念する声も出た。その後、感染対策の徹底を条件に緩和。各施設ではオンライン面会の導入や、屋外から窓ガラス越しに利用者に話しかけてもらうなど、交流の機会の確保に努めてきた。

 ただ、慎重な施設も多く、厚労省はワクチン接種率の向上などを受け、高齢者施設での対面での面会について、再開を検討するよう施設側に求める方針だ。ワクチンを接種済みか、検査で陰性が証明されている場合などが対象だ。同時に持病などを理由に接種していない家族らに対し、不当な扱いがないよう配慮することも求める。

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使い方
2537679 0 ライフ 2021/11/22 05:00:00 2021/12/06 17:08:06 2021/12/06 17:08:06 アクリル板越しに長女(右)と面会する入居者の女性(左手前)(11月15日、東京都世田谷区の芦花ホームで)=野島正徳撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211121-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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