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    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    ディーゼルであることを忘れさせる静かさ ベンツ「S400d」(Vol.558)

    • 「S400d」の試乗車は四輪駆動の4MATIC
      「S400d」の試乗車は四輪駆動の4MATIC

     ドイツのメルセデス・ベンツのSクラスに、新開発の直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した「S400d」が登場した。同エンジンの排気量は3000ccで、最高出力は340馬力、最大トルクは700Nmと強力だ。このトルク値は、「S450」のISG(モーター機能付き発電機)が付いたガソリンエンジンの1.4倍にもなる。

    • 新開発の直列6気筒エンジンは、全長が短く設計され、衝突安全のための空間も確保している
      新開発の直列6気筒エンジンは、全長が短く設計され、衝突安全のための空間も確保している

     ディーゼルエンジンでもっとも気掛かりなのは、特有の振動・騒音であろう。だが、試乗して実感するのは、その嫌な振動・騒音を意識させられることがほとんどないことだ。ベンツ車として最上級のSクラスであるから、防音や吸音などの対策が十分ほどこされているのは間違いないが、新エンジンが直列6気筒であることも、振動面で良さをもたらしていると思われる。格下ではあるが、最新のCクラスのディーゼルターボ車を試乗した際は、そのエンジンが直列4気筒であるため、振動・騒音をそれなりに感じざるを得なかった。Sクラスであること、そして直列6気筒エンジンであることにより、ディーゼルエンジンの難点がかなり改善されることを知った。

    • 左の青いキャップの給水口から、排ガス浄化のためのアドブルー(高品位尿素水)を定期的に補給する必要がある
      左の青いキャップの給水口から、排ガス浄化のためのアドブルー(高品位尿素水)を定期的に補給する必要がある

     停車中のアイドリングストップからのエンジン再始動においても、ISG付きガソリンエンジンの「S450」に比べると、わずかにブルンッと車体が揺れる様子が伝わる程度だ。意識して再始動時の振動を感じようとしなければ、ほとんど分からないといえるのではないか。

     市街地の走行時も、ディーゼルエンジンであることを忘れさせるほどだ。エンジン音は低く抑えた音で、少しこもったような音に聞こえるが、不快な音ではない。ディーゼルエンジンは低いエンジン回転数で大きな力を出せる特徴があるので、市街地での発進・停止の繰り返しも楽にこなす。

    • 十分な大きさでしっかり体を支えてくれる前席
      十分な大きさでしっかり体を支えてくれる前席
    • 後席も快適。広さは十分で、ゆっくりくつろげる
      後席も快適。広さは十分で、ゆっくりくつろげる

     乗り心地は、ややゴツゴツとした感触があるが、これも欧州車の常で、速度が上がっていくに従い落ち着きが出て、タイヤがしっかり路面を捉えている感触へと変化していく。高速道路に入ると、まさに面目躍如たる安定した走りだ。

     試しにアクセルペダルを全開にしてみたが、ガソリンエンジンと同様とまではいかないものの、高回転までスッキリとエンジンが回り、伸びやかな加速をもたらした。最高時速が100キロに制限される国内の高速道路においては、そこまでアクセルペダルを踏み込まなくても、元来力強いディーゼルターボエンジンの特性により、わずかなアクセル操作で満足のいく走行ができるだろう。

    • パノラミックスライディングルーフはオプション装備
      パノラミックスライディングルーフはオプション装備
    • 奥行きもたっぷりある容量の大きな荷室
      奥行きもたっぷりある容量の大きな荷室

    • 視認性や操作のしやすさが特徴のメルセデス・ベンツの運転席
      視認性や操作のしやすさが特徴のメルセデス・ベンツの運転席

     メルセデス・ベンツの運転支援機能は、ハンドルのスポーク部分のスイッチ操作で簡単に行えるようになり、それを使えば、さらに快適な高速移動ができる。また運転支援機能の信頼性もメルセデス・ベンツは極めて高い水準にある。

     ISG付きガソリンエンジンの「S450」と比べれば、上質さの点でやや劣るかもしれないが、「S400d」は、高級車らしい快適さを味わわせる4ドアセダンである。

    2018年12月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
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