文字サイズ
    モータージャーナリストの御堀直嗣さんが、話題の新車に試乗、乗り心地、性能ついて詳しくお伝えするコーナーです。

    走りが軽快で、輸入車の大型SUVに対抗 ホンダ「CR‐V」」(Vol.559)

    • 大柄に見えるCR‐Vだが、素直な操縦性で運転を楽しめるSUVだ
      大柄に見えるCR‐Vだが、素直な操縦性で運転を楽しめるSUVだ

     ホンダのSUV(スポーツ用多目的車)「CR‐V」が、再び日本市場で販売されることになった。ミニバンの「オデッセイ」と同様、1990年代前半のクリエイティブ・ムーバーと呼ばれたRV(レジャー用多目的車)の一台として誕生した。国内はもとより米国市場でも人気を呼び、やがて米国市場を重視して大型化したことによって、国内での販売が一時途絶えていた。新型の5世代目も全幅が1.8メートルを超える大きさだが、最近は輸入車の大型SUVも日本の都市部などでは人気を得るようになり、改めて「CR‐V」が日本で販売されることになった。

     車種は、ハイブリッド、ガソリンターボエンジンの区別があり、それぞれ前輪駆動と四輪駆動がある。さらに、ガソリンエンジンは、5人乗りと、3列シートの7人乗りを選ぶことができる。今回試乗したのは、ハイブリッドの四輪駆動車と、ガソリンエンジンの前輪駆動車である。

    • アウトドアを楽しみに出かけたくなる、実用性だけでなく走りも快適なCR‐V
      アウトドアを楽しみに出かけたくなる、実用性だけでなく走りも快適なCR‐V
    • ハイブリッド車は、走りがいっそう快適で、また上質だった
      ハイブリッド車は、走りがいっそう快適で、また上質だった

     どちらも、操縦性能が素直で、走りは軽快で、運転の楽しいSUVであった。山間の細い道路では、カーブやすれ違いで車体の大きさが気になる面もあったが、カーブを曲がる際、操作に素直に反応し、軽快な運転感覚という印象が強い。

     なかでも、排気量2000ccのガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車の走りは、モーター駆動の滑らかさが走行感覚をより快適にしてくれた。試乗したのが上級グレードの「EXマスターピース」であったため、車両重量が1700キロもあったがモーター駆動を積極的に活用すると、静かで上質なクルマになった。

    • 運転操作をしやすかった運転席
      運転操作をしやすかった運転席

     それに対し、同1500ccのガソリンターボエンジン車は、前輪駆動で車両重量が1630キロ(7人乗り)と、ハイブリッドの四輪駆動車に比べ70キロ軽いにもかかわらず、通常の運転でよく使う毎分2000回転のエンジン回転数付近では力不足を感じた。ただ、アクセル全開近くまで加速させると、ターボチャージャーによる過給の効果があらわれ、エンジン回転の限界まで伸びやかに回っていく。マニュアルトランスミッションの設定がないので、現実的な話ではないが、もし、自分でギアを選びながらエンジン回転を上手に使うことができるマニュアルシフトがあれば、もっと運転を楽しめるのではないかと思った。

    • たっぷりとした大きさの座席によって、体がしっかり支えられた
      たっぷりとした大きさの座席によって、体がしっかり支えられた
    • 2列目の座席を前へ折りたたみ、3列目へ乗り降りする
      2列目の座席を前へ折りたたみ、3列目へ乗り降りする

    • ドアが、車体脇の骨格部分も覆うため、降りる際に骨格に触れやすいふくらはぎなど足を汚さずにすむ
      ドアが、車体脇の骨格部分も覆うため、降りる際に骨格に触れやすいふくらはぎなど足を汚さずにすむ
    • 荷室の床板は2段に調整でき、板を下ろせばより背の高い荷物を積み込める
      荷室の床板は2段に調整でき、板を下ろせばより背の高い荷物を積み込める

     米国市場の人気車だけに、座席はたっぷりとした寸法があり、しっかり体を支えてくれる。試乗をした2台はともに上級グレードであるため本革張りの座席で、腰の部分の支えもよく、長距離移動でも疲れにくいのではないかと思った。ただ、3列目の座席は、大人にはやや窮屈であった。そのほか、このグレードには、足先をリアバンパー下へ入れると、感知して、テールゲートが開閉するハンズフリーの機能も装備されている。

     ホンダは、より小型のSUV「ヴェゼル」が人気を得ているが、CR‐Vも使い勝手が良く、走りも軽快で、より大型のSUVを検討している人にとっては、輸入車と比較検討できる一台ではないかと思った。

    2019年01月01日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    御堀直嗣   (みほり・なおつぐ
     1955年、東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
    大手町モールのおすすめ
    帆布鞄