音声認識機能を搭載、話しかけに応じるクルマ ベンツ「Aクラス」(Vol.562)

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試乗したのはA180Style(スタイル)で、標準タイヤ仕様の操縦安定性と乗り心地の調和がよかった
試乗したのはA180Style(スタイル)で、標準タイヤ仕様の操縦安定性と乗り心地の調和がよかった

 ドイツのメルセデス・ベンツでもっとも小型の「Aクラス」が、昨年10月にフルモデルチェンジをした。一見したところ、外観は前型と似ているため、新型と気付きにくいかもしれない。しかし、よく見ると、細部にわたって洗練された造形が施されているのがわかる。それが空気抵抗を減らす性能を高め、高速走行での燃費改善につながっている。

 クルマに乗り込むと、運転席周辺の雰囲気が大きく変わっているのに気づく。ダッシュボード上にワイドスクリーンディスプレイが立ち上がるように据えられており、ダッシュボードの中にメーターが並ぶ旧デザインとは大きく異なる。車外との情報通信の重要性がクローズアップされる今、もっとも小型、かつ廉価な価格帯の「Aクラス」でさえも、いかにそこを重視しているかを感じてしまう。

 CMで見たことがある人もいると思うが、ディスプレイに向かって「Hi(ハイ),Mercedes(メルセデス)」と声かけをすると音声認識機能が起動し、カーナビゲーションの目的地設定から、エアコンディショナーの温度設定の変更など、装備の一部操作を音声入力で行うことができる。数年前から音声入力の機能は他のクルマでも始まっているが、「暑い」とか「寒い」、あるいは「カフェへ行きたい」など、Aクラスでは普通の話しかけにも応じてくれる。

 声かけの順番や、言葉遣いなどの面で、まだ人がシステムに慣れなければならない側面はあるが、これまで音声入力できる単語が指定されていたのに比べ、かなりの進歩を実感することができた。

ダッシュボードの上にあって、メーターやカーナビゲーションを表示するワイドスクリーンディスプレイ
ダッシュボードの上にあって、メーターやカーナビゲーションを表示するワイドスクリーンディスプレイ
的確に体を支え、運転に集中できる前席
的確に体を支え、運転に集中できる前席

排気量1400ccのガソリンターボエンジンは、7速オートマチックトランスミッションとの組み合わせ
排気量1400ccのガソリンターボエンジンは、7速オートマチックトランスミッションとの組み合わせ
前席の座面は、前端をスライド調節できるようになっており、背の高い人でもゆったり座れる
前席の座面は、前端をスライド調節できるようになっており、背の高い人でもゆったり座れる

 走行感覚については、ベンツらしい運転操作に対する的確な走りの手応えと、快適な乗り心地の両立がなされており、ベンツへの信頼や安心は、「Aクラス」でも変わらない。

ただし、注文装備となる扁平(へんぺい)タイヤを装着した「Aクラス・スタイルAMGルック」については、現状、走行安定性に不十分な側面がある気がした。標準装着のタイヤに比べ、より扁平で、接地面が広いことが、操縦安定性や乗り心地につながっていないのではないか。今後の修正を期待したい。

 現在販売中のクルマに搭載されているエンジンは、排気量1400ccのガソリンターボエンジンのみで、これに7速のオートマチックトランスミッションが組み合わされる。加速性能は十分で、物足りなさを感じることはなかった。前型車より軽くなり、車両重量は1.5トンを切る1360キロ(注文装備の装着時やスポーティーな仕様のAMGラインはこれより重い)で、この軽さもあって動力性能が十分だと感じるのだろう。

後席は、腿が浮き気味になりやすい
後席は、腿が浮き気味になりやすい
特に後ろ姿は、丸みを帯びた造形の進化と美しさを感じさせた
特に後ろ姿は、丸みを帯びた造形の進化と美しさを感じさせた

荷室は広くなり、大きな荷物も積み込みやすそうだ
荷室は広くなり、大きな荷物も積み込みやすそうだ

 後席は、前席に比べて座席のクッションが薄い印象で、座面の高さがあまりなく、(もも)が浮き気味になり、腰を落ち着かせにくかった。前席下へ爪先もそれほど入れられないので、これも腿を浮かせてしまう要因の一つだ。

 荷室は、前型に比べ容量が増え奥行きも広くなり、かさばる荷物も載せることができる。

 新型Aクラスは、フォルクスワーゲンの「ゴルフ」などと競合する。そのカテゴリーにおいて、実際に使った時に満足度が高い一台ではないだろうか。ことに、コネクティビティ(外とのつながり)の装備においては、最先端といえる。「ハイ、メルセデス」とクルマに声を掛け、この新しい機能を使ってみることをお勧めする。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。
無断転載禁止
444188 0 インプレッション 2019/02/19 05:20:00 2019/02/19 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190213-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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