電池増強で走行可能距離が大幅に向上 日産「リーフe+」(Vol.563)

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試乗した「リーフe+」。低重心設計により乗り心地も向上した
試乗した「リーフe+」。低重心設計により乗り心地も向上した

 日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」に追加発売された「リーフe+」に試乗した。

 1回の充電で走ることができる距離は、国際基準の測定法による新表示「WLTCモード」で458キロを達成した。この数字は、JC08モードに換算すれば570キロだ。ちなみに、リーフは当時のJC08モードで400キロなので、大幅に走行可能距離が伸びたことになる。

 「リーフe+」の走行可能距離が伸びたのは、搭載するリチウムイオンバッテリー容量を増やしたためだ。その結果、同じグレードのリーフ標準車と比べて、車両重量が160キロ(バッテリー以外も含む)増えている。このため、重量増に対応して車体の剛性を高めたほか、サスペンションやハンドルの操作性などを調整し、低重心の設計にしたという。

バッテリー容量が増え、モーター出力も高まった
バッテリー容量が増え、モーター出力も高まった
充電口の急速充電用のキャップに、e+独自のロゴが入る
充電口の急速充電用のキャップに、e+独自のロゴが入る

初代リーフに比べ、奥行きが広がり、積載容量も増えた荷室
初代リーフに比べ、奥行きが広がり、積載容量も増えた荷室

 確かに、「リーフe+」を運転してすぐ感じたのは、車両重量が重くなったことによる落ち着いた乗り心地だ。そもそもEVは、エンジン車に比べてバッテリー分が重くなるため、全体的に乗り心地に落ち着きが出て、上級車種の乗り味に近づく。「リーフe+」は、普通のEVより、さらに高級車然とした乗り心地となっていた。当然、モーター走行による静粛性もあり、まさに小さな高級車といった心地よさを伝えてきた。

 また、車両重量増は、タイヤの接地力も高めたようで、ハンドルに伝わってくる手応えがしっかり感じられる。カーブを曲がる際には、重心が低くなったため車体の傾きが小さく車体が安定するので、安心・信頼感が増している。

試乗した「リーフe+」のGグレードは、本革シートが標準になっている
試乗した「リーフe+」のGグレードは、本革シートが標準になっている
車両重量が増したことで、後席の乗り心地も改善された
車両重量が増したことで、後席の乗り心地も改善された

 一般的にクルマの重量が重くなると、性能が悪化する懸念もあるが、EVの場合は、重心が下がり、それでいて低速から大きな力を出せるモーターの出力特性はそのままなので、安定性と軽快さを併せ持つメリットが生まれる。「リーフe+」には、EVならではの優位性がはっきりと表れている。

室内空間も、初代リーフなどと比べると落ち着いたものになった
室内空間も、初代リーフなどと比べると落ち着いたものになった

 加速性能については、一般道ではあまり気付きにくいが、都市部の高速道路のような本線合流のための加速車線が短い場所や高速道路に入ってからの追い越しなどの時に、あまり強くアクセルペダルを踏み込まなくても狙った速度へ達するので運転がラクに感じる。また、高速走行を維持する際も、アクセルペダルの踏み込み度が少なくて済むようだ。

 走行距離や加速性能にゆとりがあることによって、「リーフe+」はあらゆる面でストレスフリーなEVになっている。

グレードを問わず、前席にはシートヒーターを装備。消費電力が少なく、暖房が利くまで素早く体を温めてくれる
グレードを問わず、前席にはシートヒーターを装備。消費電力が少なく、暖房が利くまで素早く体を温めてくれる

 アクセルペダルのみで加減速から停止まで行えるe‐Pedalは、リーフにも搭載されているが、改めて「リーフe+」で使ってみると、わずかなアクセル操作で交通の流れに乗った運転ができるため、燃費(EVでは電力消費)の無駄を省けることを実感する。かつEVでは減速の際に回生によりバッテリーへの充電も行うので、e-Pedalを使いこなすと実際の走行距離をより長くすることにもつながる。

 また、e‐Pedalは、アクセルペダルを戻せば、その時から回生による減速が始まるので、エンジンブレーキのように、ブレーキペダルを踏み込む前から速度を落とせる安全上の利点もある。

 EVは、環境負荷が少なく、静かで快適な走りに加え、安全性でも優れるようになった。1回の充電による走行可能距離もWLTCモードで450キロ以上を走れるようになった今、EVを買わない理由はもはやなくなったと言えるかもしれない。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。
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465631 0 インプレッション 2019/03/05 05:20:00 2019/03/05 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190226-OYT8I50232-T.jpg?type=thumbnail

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