大型化で走行性能が向上、先進機能も搭載 BMW「3シリーズ」(Vol.565)

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新型3シリーズの最上級車種である「330i Mスポーツ」。軽快な運転を楽しむことができた
新型3シリーズの最上級車種である「330i Mスポーツ」。軽快な運転を楽しむことができた

 ドイツBMWの中核車種である「3シリーズ」が、フルモデルチェンジをして7代目となった。前型車に比べて車体がやや大柄になった。それによって走行性能が高まり、姿もより精悍(せいかん)になっているという。

 日本にまず導入されるのは、ともに排気量2000ccで直列4気筒ガソリン直噴ターボエンジンを搭載した「320i」と「330i」だ。今回試乗をしたのは、中でも大馬力の「330i Mスポーツ」という最上級車種である。

 車幅が1.825メートルになると、さすがに大柄で立派に見える。競合車種のメルセデス・ベンツ「Cクラス」と比べてもひと回り大きい印象だ。だが、軽量化により運転してみると動きが軽快で、車体が大きくなったことをあまり感じさせない。

排気量2000ccの直列4気筒ガソリンターボエンジンは、市街地から高速まで十分な加速をもたらした
排気量2000ccの直列4気筒ガソリンターボエンジンは、市街地から高速まで十分な加速をもたらした
荷室は十分広く、かなりの荷物が積めそうだ
荷室は十分広く、かなりの荷物が積めそうだ

 エンジン出力も十分で、市街地から高速までなんら問題なく加速させることができた。さらに、エンジンにガソリンを供給する噴射圧力が前型車の1.5倍になったことで、これまで意識させられたディーゼルエンジンのようなカラカラという騒音も気づかなかった。全体的に上質になった印象だ。

 一方で、運転時の車幅感覚がつかみにくいと感じた。左側のガードレールをこするのではないかといった緊張感がしばらく運転していても消えない。なぜ車幅感覚がつかめないのかを考えた。はじめは車体の中央を知るための目標がわかりにくいのかと思ったが、フロントウィンドーの位置が手前寄りのため、左の支柱が視界の隅に入っておらず、錯覚から、クルマの左端を認識しにくいことに気づいた。あえて首を曲げて左を見ると、フロントウィンドーが横長に見え、左の支柱がとても遠くに見えた。

 運転感覚としての軽快さ、大きさや重さを意識させない走りは評価できる。だが、車幅の感覚がつかみにくく、実際よりも大きなクルマを運転しているという錯覚に陥りがちで、それを気にするあまり運転に集中できないのは残念だ。

ゆったりしたサイズで体を支えてくれる前席だが、座席表面の感触がいまひとつではと感じた
ゆったりしたサイズで体を支えてくれる前席だが、座席表面の感触がいまひとつではと感じた
後席はゆったりとした広さがあり、くつろげた
後席はゆったりとした広さがあり、くつろげた

 後席は、クラスが一つ上の「5シリーズ」とまではいわないものの、かなり空間は広く、贅沢(ぜいたく)な居心地を味わえる。座席にもきちんと座れ、また前席下へ爪先を伸ばせるので、ゆっくりくつろげる。静粛性にも優れ、前席との会話にも支障がない。

見晴らしはいいが、車幅感覚がつかみにくい運転席だった
見晴らしはいいが、車幅感覚がつかみにくい運転席だった

 BMWは、特定のスポーツ車種以外にはランフラットタイヤを標準装着し、万一パンクをしてもしばらくそのまま安全に走行できるようにしている。一方で、ランフラットタイヤは乗り心地が硬くなり、振動が強くなりがちなのだが、「330i」はそうした乗り心地の悪化はなかった。5シリーズほどのしなやかさはないものの、不快には思わせない乗り心地がつくり込まれていた。

 運転支援システムに新しく3眼カメラが採用された。これにより、外部からの情報量が増え、より正確な判断ができるようになり、たとえば車線維持機能が格段に正確になった。メルセデス・ベンツに比べて、やや運転支援で遅れ気味と感じてきたBMWも、競合他社と遜色ない水準に達したといえるだろう。

 また音声入力によって、ナビゲーションの目的地設定やエアコンディショナーの温度調節などができる機能も採用された。先ごろ、メルセデス・ベンツAクラスで「ハイ、メルセデス」とクルマに呼びかけ、機能を操作する装備が採り入れられたが、新型3シリーズにも導入された。こちらは、ハンドルの音声スイッチを入れて「OK、BMW」と呼びかける。呼びかけ方は、個別の名前などに変更することもできる。人工知能(AI)が学習していくので、所有者が使うほどに親しみのある会話がクルマとかわせるようになるという。

メーター右側のエンジン回転計が逆時計回りの表示で、見づらいと感じた
メーター右側のエンジン回転計が逆時計回りの表示で、見づらいと感じた
後退時、ナビゲーション画面に車両後方と真上からの映像が映し出されて便利である
後退時、ナビゲーション画面に車両後方と真上からの映像が映し出されて便利である

 音声入力は、手での操作を省くことができるので、前方の視線を動かす必要が減り、より安全にクルマを運転するのに役立つ。駆けぬける(よろこ)びを求め、運転の楽しさを追求し続けてきたBMWでも、こうした先進機能が不可欠となってきているのを実感した。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。
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513225 0 インプレッション 2019/04/02 05:20:00 2019/04/02 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190319-OYT8I50073-T.jpg?type=thumbnail

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