市街地での走行性能が向上 悪路走破性にも長けた唯一無二の存在感 三菱「デリカD:5」(Vol.566)

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新設定「アーバンギア」。今回試乗したクルマだ
新設定「アーバンギア」。今回試乗したクルマだ

 三菱自動車のミニバン「デリカD:5(ディー・ファイブ)」が、マイナーチェンジした。

 改良はディーゼルターボエンジン車のみが対象で、ガソリンエンジン車は従来のままで販売が継続される。

 もともと「D:5」は本格的な悪路走破性を備えているのが特徴のクルマだった。今回の改良は、市街地での走行性能の向上、それに合わせたデザイン変更で、外観の印象や内装が大きく変わり、上質な乗用車に近いクルマに生まれ変わった。

 試乗したのは、新設定の車種「アーバンギア」で、同車種のうち最上級グレードの「Gパワーパッケージ」であった。改良の大きな要素であるクリーンディーゼルエンジンには、尿素と反応させて窒素酸化物(NOx)を減らす排ガス浄化装置が追加された。エンジン内部の摩擦損失も低減されて、燃費や最大トルクの向上も行われたほか、変速機が従来の6速オートマチックトランスミッション(AT)から8速ATへ変更されている。

改良が施されたディーゼルターボエンジンは、より力強くなり、軽やかに回った
改良が施されたディーゼルターボエンジンは、より力強くなり、軽やかに回った
荷室の床下に、尿素水溶液(アドブルー)の補給口が設けられた
荷室の床下に、尿素水溶液(アドブルー)の補給口が設けられた

カーナビゲーションの画面が大きくなり、後退時などに周囲を確認する映像も見やすくなった
カーナビゲーションの画面が大きくなり、後退時などに周囲を確認する映像も見やすくなった
3列目の座席は、横へ跳ね上げて収納する方式。ただ、座席が重いため、力のない人だと操作しにくいかもしれない
3列目の座席は、横へ跳ね上げて収納する方式。ただ、座席が重いため、力のない人だと操作しにくいかもしれない

 運転席に座ると、まず目に付いたのは、一新された内装のデザインだ。前型車は悪路走破性能をデザイン的にも訴えた(いか)つい印象だったが、それが薄れている。またカーナビゲーション画面が大型になり、情報通信機能が重視される時代を反映したものとなっている。

より乗用車のようになった室内空間
より乗用車のようになった室内空間

 エンジンを始動すると、やはりディーゼルエンジンらしい音はする。だが、より軽やかな印象だ。アクセルペダルを踏んで発進させると、スッと軽やかに動き出した。エンジンの改良と、ATの変速段数が8段へ増えた効果を、走り出しから実感した。8速ATは、1速のギア比を下げて発進をより力強くし、2速以降のギア比はやや高めに設定されており、燃費の改善に貢献する。

 発進したあと速度に乗せていくところも、軽やかに加速し、その間のディーゼル騒音も耳障りではない。エンジンの性能向上や変速ギア比の変更により、低いエンジン回転で加速していくため、室内の騒音は速度を上げるほどに静かになっていく印象があった。やがて、ディーゼル車であることを意識しなくなる。

悪路走破を考慮して床がより高くなっていて、乗り込む手助けとなる取っ手がついている
悪路走破を考慮して床がより高くなっていて、乗り込む手助けとなる取っ手がついている
運転席にも取っ手があり、乗り込むのを助けてくれる
運転席にも取っ手があり、乗り込むのを助けてくれる

 加速のよさや静粛性は、高速道路に入ると、新旧の差を実感させた。前型車は、未舗装路での走行性能は非常に高いが、高速道路での移動はクルマが精一杯走っている感じで騒音が大きくなり、その音で疲れを覚える時があった。しかし、新型車は高速道路での走行が実に快適で、乗り心地も静粛性もこれまでとは格段の違いだ。また、アクセルペダルを軽く踏むだけで、追い越しも楽にできる。遠出をしたくなるミニバンに変身した。

 もともと大きすぎない車体は、車幅感覚もつかみやすく、高い視点からの見通しの良さを含め、市街地での利用でもそれほど苦労しないだろう。

「アーバンギア」(左)、「D:5」(右)の各フロントグリル
「アーバンギア」(左)、「D:5」(右)の各フロントグリル

 ミニバンは依然として人気があり、国内には数多くのライバルが存在する。「デリカD:5」は、悪路走破性に()け、ほかの三菱SUV(スポーツ用多目的車)「アウトランダー」「パジェロ」に引けを取らない登坂能力を持つ。そのうえ、高速道路での快適性も加わり、唯一無二の存在感をさらに強めたといえそうだ。2007年の誕生から12年を経ているが、見違える進化に驚きさえあった。


御堀 直嗣

プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

無断転載禁止
520442 0 インプレッション 2019/04/16 05:20:00 2019/04/16 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/04/20190401-OYT8I50058-T.jpg?type=thumbnail

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