軽自動車の水準を超え、満足度の高い一台 日産「デイズ」(Vol.570)

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普通車のような外観。見栄えが立派で、質感も高い
普通車のような外観。見栄えが立派で、質感も高い

 日産自動車の軽自動車「デイズ」が、フルモデルチェンジした。2代目となる新型の基本構造部分は、三菱自動車の「eKワゴン」との共同開発となっている。今回試乗したのは、上級グレードの「ハイウェイスターXプロパイロットエディション」である。

 クルマと対面してまず感じたのは、軽自動車だろうかと思うほど立派で、上質な印象をもたらす外観だった。軽自動車で人気は、ハイトワゴンというやや背の高いタイプで、「デイズ」もハイトワゴンに属する。初代よりやや背が高くなり、車体の塗装も質感が上がって、なおさら見栄えがよい。このため、黄色のナンバープレートを見なければ普通車(登録車)と見間違えるほどだ。

ミニバンのように運転席からの目線は高く、見通しもよかった
ミニバンのように運転席からの目線は高く、見通しもよかった
荷室床下には、小物入れがある
荷室床下には、小物入れがある

SOSコール(メーカー注文装備)が設置されていた。緊急時には、オペレーターを通じて、警察や消防への連絡が可能になる
SOSコール(メーカー注文装備)が設置されていた。緊急時には、オペレーターを通じて、警察や消防への連絡が可能になる
ハンドルの右スポーク部には、運転支援機能「プロパイロット」のスイッチが配置されている。右端の青色がスタートボタン
ハンドルの右スポーク部には、運転支援機能「プロパイロット」のスイッチが配置されている。右端の青色がスタートボタン

 さらに、試乗車にはメーカー注文装備のプレミアムコンビネーションインテリアが採用されていて、本革ステアリングに加え、色合いや内装が、廉価で実用本位の軽という先入観を吹き飛ばす。

 座席は、無重力空間で人が脱力した状態を再現する機能が織り込まれているとのことで、ふわりとした座り心地、体全体を包み込むように支える構造など独特のものだ。上級車種の座席に座ったかのような高級さがある。日産は、ゼログラビティシートと名付けている。

 暮らしを支える軽自動車とはいえ、移動中は車内にいるわけで、この内装の見栄えや座席の心地よさは、日々の運転に喜びをもたらすのではないか。

 運転席に座ると、目線が高く、ミニバンに乗ったような印象だ。遠くの見通しもよく、市街地でほかのクルマに囲まれても、うずもれてしまうような不安がない。一方、背の高い軽自動車はカーブなどでふらつくのではないかとの懸念もあるが、新型はハンドル操作時の手応えがしっかりしており、安定した走りをする。路面の衝撃が伝わる、やや硬い乗り味ではあるが、不快なほどではない。

運転席の高さを調節する機能は全車種に標準装備されている
運転席の高さを調節する機能は全車種に標準装備されている
空から見下ろしているような映像でクルマの周囲を確認できるアラウンドビューモニター(グレードの段階により設置)
空から見下ろしているような映像でクルマの周囲を確認できるアラウンドビューモニター(グレードの段階により設置)

後席の足元は広い
後席の足元は広い

 試乗車の新開発エンジンは、日産がECOモーターと呼ぶ、交流発電機にモーター機能を加えたマイルドハイブリッド仕様となっており、加速の際にエンジン出力を補助する。したがって、自然吸気エンジンだったが、力不足を感じることはなかった。強い加速の時も、エンジン回転数を上げることで対応できる。エンジン騒音は大きくなるものの、気になるほどではなかった。新開発されたCVT(無段変速機)との組み合わせで、エンジン音を低減する技術が採用されているためだろう。

 試乗車には、車名にもあるように運転支援機能「プロパイロット」が装備されていた。ハンドルの右側スポークに青色のボタンスイッチがあり、これを押すと機能が作動する。そして、速度設定ボタンを押すことで、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(定速走行・車間距離制御装置)」や、車線維持支援機能が使える。試乗した日は風が強く、背の高い軽自動車では横風の影響が出やすかったが、車線維持支援機能が働くことで安定性が保たれ、安心して運転を続けることができた。

 後席は、足元に十分すぎるほどのゆとりがある。前席下へ爪先を差し入れ、足を伸ばしてゆったりした姿勢で座れる。ただ、座面と床との差が少ないため、腰が落ち着かない印象が残った。もう少し床との差があるといいのではないか。

 技術の日産がその威信をもって開発した軽自動車であり、普通車にも匹敵しそうな上質さを備え、満足度の高い一台といえる。

プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

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626208 0 インプレッション 2019/06/11 05:20:00 2019/09/11 15:38:31 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190606-OYT8I50063-T.jpg?type=thumbnail

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