クーペのような造形、マイルドHV搭載モデルも加わる ジャガー・ランドローバー「レンジローバー・イヴォーク」(Vol.573)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

試乗した最上級車種の「R‐ダイナミックHSE」。マイルドHVを搭載している
試乗した最上級車種の「R‐ダイナミックHSE」。マイルドHVを搭載している

 英国のメーカーであるジャガー・ランドローバー社のSUV(スポーツ用多目的車)「レンジローバー・イヴォーク」がフルモデルチェンジし、2代目となった。

 最大の特徴は、その造形だ。SUVといえば、全体的に四角い姿で車高が高い印象があるが、「イヴォーク」はクーペのような造形で、車高が低いわけではないが屋根が低く、その姿はどのSUVとも異なる。なおかつ、初代にはのちに(ほろ)の屋根を持つオープンカーのコンバーチブルも追加となり、唯一無二の存在感をいっそう強めてきた。新型車も、初代と同様にクーペのような姿を引き継いでいて、一見、初代と見分けがつきにくいかもしれない。

 新たに加わった特徴は、マイルドハイブリッド(HV)を搭載する車種が追加になったことだ。スズキが軽自動車や小型車で採用したモーター機能付き発電機(ISG)と同じ方式で、クルマが減速する際に発電し、これをリチウムイオンバッテリーにためておいて発進や加速の際にエンジン出力を補う機能である。

マイルドHVはエンジン出力を補い、低回転から高回転までよどみない力を発揮してくれた
マイルドHVはエンジン出力を補い、低回転から高回転までよどみない力を発揮してくれた

 マイルドHVのほかに、ガソリンターボエンジンとディーゼルターボエンジンがある。今回は、マイルドHVを搭載した最上級車種の「R‐ダイナミックHSE」と、「ファーストエディションP250」のガソリンターボエンジン車に試乗した。後者は装備を充実させたタイプで、初期のみに限定導入される予定だ。

 マイルドHVは、モーターの力を借りながら、発進から高速までよどみなく力を発揮し、力強くクルマを走らせた。ただ、発進時にはモーターが強く働きすぎるためか、ビュッと飛び出すような出足だったのが気掛かりだった。もちろん、アクセルペダルの踏み込み方を調整すれば収まるが、普段通りにペダルを踏み込むと、勢いがよすぎる。

屋根に取り付けられたカメラで車両の後方をとらえ(左)、ルームミラーに映し出す。後席に座る人や積載荷物に邪魔されず、後方の確認ができる「クリアサイトリアビューミラー」
屋根に取り付けられたカメラで車両の後方をとらえ(左)、ルームミラーに映し出す。後席に座る人や積載荷物に邪魔されず、後方の確認ができる「クリアサイトリアビューミラー」

最新機能の一つ、車両前寄りの床下の路面の様子を見せてくる「クリアサイトグラウンドビュー」。悪路走行もこなすSUVならではの装備。路面の安全を確認しながら走ることができる
最新機能の一つ、車両前寄りの床下の路面の様子を見せてくる「クリアサイトグラウンドビュー」。悪路走行もこなすSUVならではの装備。路面の安全を確認しながら走ることができる

 また、乗り心地の硬さも気になった。R‐ダイナミックは、最上級車種であるとともにスポーティー車種との位置づけであるせいかもしれない。サスペンションの設定が、あたかもレースコースを走る時のような硬さであった。さらにハンドル操作に対し敏感に反応するので、ハンドル操作にも注意が必要だろう。後席の乗り心地にも影響を及ぼすからだ。実際、上下振動に加え、体が左右に揺さぶられる動きも激しかった。

 一方、ファーストエディションは、乗り心地やハンドル操作に対するクルマの動きも穏やかで、SUVらしい落ち着きと堂々とした走り方に満足を覚えた。通常のガソリンターボエンジンでも加速性能に不満はない。

前方の見通しはよいが、車幅感覚がつかみにくかった
前方の見通しはよいが、車幅感覚がつかみにくかった
SUVとして十分な容量の荷室。ただし、荷室の床は地面から結構高い位置となる
SUVとして十分な容量の荷室。ただし、荷室の床は地面から結構高い位置となる

後席の広さなどは十分だったが、このR‐ダイナミックは、乗り心地が硬く、揺れもあって、快適とはいえなかった
後席の広さなどは十分だったが、このR‐ダイナミックは、乗り心地が硬く、揺れもあって、快適とはいえなかった

 「イヴォーク」は、クーペのような形状でありながら、SUVらしく車幅が広いことにより、カーブでも踏ん張りがきくような安定感も感じさせる。

 その分、車幅が1.9メートルを超えるため、運転中はすれ違いなどで気を使った。最近は、車体が大型化する傾向があるが、国内の道路や駐車場は必ずしも大柄なクルマに適したサイズではない。クルマ自体に魅力を感じても、車幅などでためらう人もいるだろう。実際、今回の試乗コースだった山間の曲がりくねった道では、車幅の方が気になってクルマの魅力を存分に味わえなかったのは、残念だった。

プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

無断転載禁止
698164 0 インプレッション 2019/07/23 05:20:00 2019/09/11 15:36:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190718-OYT8I50022-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ