日産の技術を取り込み、SUV色を出したクルマ 三菱自動車「eKクロス」(Vol.579)

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最上級グレード「T」の4WDに試乗した
最上級グレード「T」の4WDに試乗した

 今年は、背の高いハイトワゴンやさらに高いスーパーハイトワゴンといったタイプの軽自動車のモデルチェンジが多いが、売れ筋だけに、各社ともに充実した内容になっている。三菱自動車の「eKクロス」もその一台。このクルマは、日産自動車との合弁会社「NMKV」が開発した車種で、日産では「デイズ ハイウェイスター」の車名で販売されている。

 試乗した車は、「ハイウェイスター」と基本装備などは同じだ。ただ、電動化とSUV(スポーツ用多目的車)で自社のイメージを訴える三菱自らしく、SUV色を出したものになっている。

 このクルマには、前輪駆動(FF)と、四輪駆動(4WD)とがあり、今回試乗したのは4WDの方だ。FF車よりも背が高く、なおかつルーフレールも装備されていたので、車高は1.685メートルにもなる。少し離れて見ると、軽自動車よりは登録車のコンパクトSUVではないかと思うほど堂々としている。

4WDはやや車高が高く、前方の見通しがより良い。また、カーナビゲーション画面も大きく見やすい
4WDはやや車高が高く、前方の見通しがより良い。また、カーナビゲーション画面も大きく見やすい
車両後方の様子を、カメラでとらえた映像としてルームミラーに映し出すデジタルルームミラー(GとTのグレードにパッケージオプションとして設定)
車両後方の様子を、カメラでとらえた映像としてルームミラーに映し出すデジタルルームミラー(GとTのグレードにパッケージオプションとして設定)

 受ける印象は、ベースとなる「eKワゴン」(日産名「デイズ」)と異なる顔つきも影響しているだろう。三菱自のSUVに共通して採用されている「ダイナミックシールド」と呼ばれる勇ましいデザインが目を引く。これにより、街中を走っている時、他のクルマに軽んじられることも少なくなるような気がした。同じく「ダイナミックシールド」を採用した「デリカD:5」に乗った時のことだが、大型トラックに無理な車線変更をされずに済んだ経験がある。この顔つきが、トラックの運転手の心理に何らかの影響を与えたと思っている。軽自動車は便利だが、周りのクルマに軽んじられやすいという不安がある。このクルマなら、そうした不安もある程度解消されるのではないか。

試乗をしたターボエンジンは、軽くアクセルペダルを踏み込むだけで十分に速度調節ができ、快適な走りを得られた
試乗をしたターボエンジンは、軽くアクセルペダルを踏み込むだけで十分に速度調節ができ、快適な走りを得られた
後席の背もたれは左右分割式で、前へ倒すと荷室を広くできる
後席の背もたれは左右分割式で、前へ倒すと荷室を広くできる

 エンジンは、自然吸気とターボチャージャー装備の2種類がある。試乗したのはターボエンジンの方で、発進からその後の加速まで、何ら不自由のない力感あふれる走りを体感した。速度が上がっても不安定な動きは見せない。背が高いことによるふらつきなどを心配せずにすみそうだ。

運転支援技術「マイパイロット」は、日産自動車の「プロパイロット」を基にしていて、ハンドルのスイッチ操作は簡単で分かりやすい
運転支援技術「マイパイロット」は、日産自動車の「プロパイロット」を基にしていて、ハンドルのスイッチ操作は簡単で分かりやすい

 さらに、日産の運転支援技術「ProPILOT(プロパイロット)」の技術を基にした「MI-PILOT(マイパイロット)」により、高速道路においても安定して車線内を走行し続けることができる。ことに背の高いクルマでは横風の影響を受けやすいが、「MI」の車線維持機能によって、車線をはみ出す懸念も軽減される。

 試乗車には、「プレミアムインテリアパッケージ」という注文装備のインテリアが施され、室内はとても上質だった。座席も座り心地がゆったりとしていて、軽自動車であることを忘れさせるほどであった。

プレミアムインテリアパッケージの内装は、上質だった
プレミアムインテリアパッケージの内装は、上質だった
後席を最前方にスライドしても、足元にゆとりがある
後席を最前方にスライドしても、足元にゆとりがある

 残念なのは、ハンドルの前後の位置を調整する「テレスコピック機構」が備わらないことだ。このため、ペダルとハンドルの最適な位置調整ができず、運転時の姿勢が崩れやすく、せっかく快適な仕立ての座席も腰をきちんと落ち着かせ続けることができない。

ホンダは「N‐WGN」(Vol.578)に採用している。他のメーカーも早く標準化してほしい。そうでないと、誰もが安心して快適な運転を楽しめる軽自動車が完成したとはいえないだろう。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。
無断転載禁止
855931 0 インプレッション 2019/10/22 05:20:00 2019/10/25 17:27:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191018-OYT8I50073-T.jpg?type=thumbnail

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