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    日本の冬に商機到来 オールシーズンタイヤの海外勢

    • 戦略発表会の壇上に並ぶ日本グッドイヤーの金原雄次郎社長ら(同社提供)
      戦略発表会の壇上に並ぶ日本グッドイヤーの金原雄次郎社長ら(同社提供)

     ここ数年、都市部でもまとまった量の降雪が時々ある。タイヤチェーンを巻くのは面倒だし、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤも販売されているが、マンションなどではオフシーズンの保管場所に困ってしまう。このため、首都圏や関東、東海地方など、たまにしか降雪がない地域を中心に、年間を通して使用できるオールシーズンタイヤが売れている。

     アメリカのグッドイヤーの日本法人「日本グッドイヤー」は30日、オールシーズンタイヤの商品ラインアップの拡充などを内容とする「2018年下半期戦略」を発表した。同社によると、日本での同社製オールシーズンタイヤの出荷本数は年々増え、今年は新たにスポーツ用多目的車(SUV)向けなど13サイズを追加し、計57サイズに拡充する。オールシーズンは、スタッドレス並みの機能はないため、氷上などは無理だが、たまの降雪であればそのまま街中を走行できる便利さがある。


    海外では普及、欧州1割弱、北米7割にも

    • グッドイヤーのオールシーズンタイヤ(同上)
      グッドイヤーのオールシーズンタイヤ(同上)


     日本では、アスファルト舗装されるなど一般道の路面状況も良く、新車は燃費性能を競うという側面が強い。そのため、燃費に優れた夏用タイヤを標準装着している。
     一方、道路の路面が日本ほど良くないヨーロッパでは、オールシーズンが市場全体の約8%を占め、ここ数年は年平均20%の割合で増えている。北米(アメリカ、カナダ)の占有率は約70%にものぼる。海外では、新車の標準装着になっているほどだ。

     オールシーズンがアメリカで誕生したのは1977年と古いが、日本では普及が遅れた。燃費に加え、乗りごこちや静粛性で、夏用に負けていたからだ。しかし、最近は改良が進み、燃費も「営業車のように長時間乗れば差は出るが、日常は短距離を乗るという一般的な使い方ではほとんど差がない」(有田俊介・日本グッドイヤーマーケティング本部長)レベルまで向上しているという。

     アメリカのグッドイヤー以外にも、フランスのミシュラン、イタリアのピレリなどがオールシーズンタイヤの売り込みに力を入れ始めている。日本メーカーも販売しているものの、その動きは目立たない。燃費性能を競う日本市場では、オールシーズンの普及はまだ先と見ているのかもしれない。
     だが、販売現場では「買ったばかりの新車をオールシーズンタイヤに交換する客も出ている」(ジェームス光が丘店の岩井藤雄店長)と、変化の兆しも見られる。そのため、グッドイヤーも「日本でもオールシーズンがタイヤ全体に占める比率は、ヨーロッパ並みに、1割弱まで高まる可能性はあると見ています」(有田本部長)と強気だ。

     海外勢にとって、オールシーズンタイヤは、日本市場での販売拡大のきっかけになるかもしれない。

    2018年07月31日 16時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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