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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『「大平学校」と戦後日中教育文化交流』 孫暁英著

     日中平和友好条約の締結を受け、中国への政府開発援助で始まった「大平学校」(在中国日本語研修センター)についての研究書。

     大平正芳元首相が主導して北京に開かれ、1980年からの5年間で91人の日本人講師が派遣され、のべ600人の中国人日本語教師を養成した大平学校。約50人の関係者へのインタビューなどを通じ、語学教育のみならず、人的交流・文化交流・友好促進を兼ね備えた「学び合う共同体」を構築したと結論づけた。80年代の良好な日中関係と、学校が果たした双方への貢献は、忘れてはならないだろう。

     著者はまた、中国が世界に展開する教育機関「孔子学院」についても言及。各国の警戒や懸念を払拭ふっしょくするためには、著者の記す通り、大平学校の事例を参考にすべきだろう。(日本僑報社、3600円)(佑)

    2018年06月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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