<速報> 日欧開発の水星探査機、南米ギアナから打ち上げ成功
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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『十五の夏』 佐藤優著

     1975年、高校1年の夏休み。社会主義に興味を持ち始めた著者は、高額な旅費を親に出してもらい、旧ソ連や東欧諸国へ一人で旅に出た。チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリー……。著者の原点である信じられないような大旅行記だ。

     興味をひくのは、東欧を旅する上巻だ。東西冷戦が終結した現在、当時の東欧諸国はソ連の衛星国家のように見える。だが著者は各国に文化と誇りがあることを感じた。ハンガリーでは文通相手の家に泊まり、電化製品は日本より劣っても生活水準が低くない一面があると知り、チャウシェスク政権だったルーマニアの異様な陰鬱いんうつさをかぎ取る。

     少し色あせた写真の数々も郷愁を誘う。後に各国が味わった試練や著者の特異な人生を、どの一葉に写る人物もまだ知らない。(幻冬舎、上下各1800円)(待)

    2018年07月11日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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