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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『国体論』 白井聡著

     本書が注目を集めるのは、切迫した語り口が、一種の扇情的な熱を帯び、読者の心情に訴えかけるからだろう。

     天皇を中心とした戦前の政治体制を「国体」と呼ぶのなら、戦後の「国体」とは何か? 著者は、現在の象徴天皇制のあり方を規定したアメリカの占領政策にその原点を見いだし、戦後の民主主義の実態は、米国を頂点とした国体にほかならないと説く。

     本書の特色は、戦前と戦後の国体の変遷を並べて論じつつ、その連続性と類似性を指摘している点にある。ただし、著者の国体の捉え方は独特であり、異論もあろう。また、戦前の軍部の暴走と今日の政治状況を、政治体制に内在する欠陥の帰結とする主張は、やや性急に過ぎないか。今後の議論を期待したい。(集英社新書、940円)(良)

    2018年07月25日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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