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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『逃げられない世代―日本型「先送り」システムの限界』 宇佐美典也著

     元官僚の著者が、日本を取り巻く危機の本質を解説する。ひたすら脅すだけではないのがよい。

     本書は、日本の与野党政治家や官僚が、社会保障などの長期的な課題を、懸命に「先送り」にしていると説く。なぜなら、そうしなければ社会は今すぐにも崩壊してしまうから。ただ、それも団塊ジュニア世代が高齢者になる2030年代半ば以降、限界が訪れる。つまり、現在20代から30代の世代が「逃げられない世代」なのだ。

     ただ、国家の分断や消滅の恐れがあった近代以降の歴史に比べれば、現在の危機は「ずっと軽い問題」。著者は世代間対立をあおることなく、自由貿易体制など日本が守るべき大切なものを示しながら、解決の方法を模索するよう呼びかける。(新潮新書、800円)(佑)

    2018年08月01日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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