『バナナのグローバル・ヒストリー』 ピーター・チャップマン著

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 バナナを世界中どこでも食べられる果物にしたのは、アメリカにかつてあった大手食品企業ユナイテッド・フルーツだった。19世紀末に生まれた史上初の多国籍企業は、コスタリカやグアテマラなど中米諸国でバナナを大量生産し、国際市場に流通させることで巨万の富を得た。

 同社の勢力拡大が20世紀のバナナ消費文化の発展を促す一方で、米国の経済力と軍事力を背景に、自らの権益を維持するため中米の独裁政権を支援していた実態が明らかにされる。

 ユナイテッド・フルーツの支配は1970年代後半に終わりを迎えたが、食文化と独占企業の関係だけでなく、現在に至る米国と中米諸国の複雑・微妙な関係を考えるうえで、本書は大いに参考になる。小沢卓也、立川ジェームズ訳。(ミネルヴァ書房、3500円)(良)

35291 0 記者が選ぶ 2018/08/08 05:20:00 2018/08/08 05:20:00 2018/08/08 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180803-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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