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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『ドローンの哲学』 グレゴワール・シャマユー著

     戦争のあり方を一変させつつある軍用ドローン(無人戦闘航空機)は、兵士の犠牲をゼロにし、標的殺害の精度を高めつつ、民間人の副次的損害を軽減する。しかし、果たして「人道的な兵器」と呼べるのか。フランスの科学哲学者である著者は、そう問いかける。

     地球の裏側から遠隔操作されるドローンは、究極の「非対称戦争」を実現する。それは、殺すか殺されるかという古典的な戦闘ではなく、一方的な「狩り」による死刑執行に近いと本書は指摘する。殺人はいかにして正当化されうるのか。

     ドローンは従来の戦争の概念を根底から揺さぶる。優秀なオペレーターは「英雄」と言えるのか。戦闘地域が際限なく拡大する危険はないか。倫理的課題を真剣に議論すべき時が来ている。渡名喜となき庸哲訳。(明石書店、2400円)(良)

    2018年08月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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