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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『昭南島・シンガポール』 安島太佳由著

     「日本の戦争」がライフワークのカメラマンが、自らの原点と位置づけるシンガポールを撮った写真集。

     日本が侵略し、昭南島と呼んだ過去もあるシンガポール。ろう人形を備えたイギリス軍の要塞ようさい跡など、複数の戦争資料館がある。本書では、資料館で撮影した写真を多く掲載し、この島の戦争の歴史を浮き彫りにする。また、著者がかつて滞在していた1980年代初めの混沌こんとんとしたチャイナタウンや、装いを替えたかのような現在の様子を写したものもある。

     現在の繁栄したイメージとは違う、意外な側面に気づかせてくれる写真の数々。島の変貌へんぼうぶりを体感し、目を奪われていると、訪れたくなってくる。写真の力を想起させる。(安島写真事務所、http://www.yasujima-takayoshi.comで購入可能。1852円)(佑)

    2018年08月29日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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