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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『フラジャイル・コンセプト』 青木淳著

     青森県立美術館や杉並区大宮前体育館、ルイ・ヴィトンの商業施設などを手がける建築家、青木淳さんの10年ぶりの単著。

     青木さんは、ガッチリとしたマッチョな建築に対し、自身が目指すしなやかに力を受け流す建築のイメージを「ぼよよん」という擬態語で表現してきた。本書では、論をさらに発展させ、何かモノゴトを始める時、明確なコンセプト(基本理念)は前もってあるのではなく、おぼろげなまま試行錯誤していって、事後的に見つかるものではないか、と問題提起する。

     一意的な解しか許容されない社会は、窮屈で息苦しい――。青木さんは具体的な建築の批評を通して、実は寛容性を欠く傾向にある昨今の世の中を憂え、柔軟性と多様性が重要であると説いているのだ。(NTT出版、2600円)(睦)

    2018年09月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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