『日傘を差す女』 伊集院静著

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 「推理小説で人のかなしみを描く」という強い思いが伝わってきた。著者2作目となる推理小説は東京、和歌山、青森が舞台。荒々しい海や、そこに暮らす人々の心の機微がこまやかに描かれている。

 東京・永田町のビルの屋上で、老人男性の遺体が見つかった。和歌山県に住む捕鯨船の砲手で、胸にはもりが刺さっていた。その後も同様の凶器で殺害された遺体が次々と発見される。刑事たちが各地に赴き地道な捜査を重ねると、鍵を握る人物として日傘を差す女が浮かんできた。

 作中、ある刑事は「人が罪を犯した状況を見ると、そこに社会の悪というものに巻き込まれたり、手を染めざるを得なかったりする事情がある」と話す。この言葉通り、事件の背景に潜む社会の光と影を垣間見た。(文芸春秋、1700円)(美)

38483 0 記者が選ぶ 2018/09/05 05:25:00 2018/09/05 05:25:00 2018/09/05 05:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180827-OYT8I50029-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ