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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『スポーツ映画トップ100』 芝山幹郎著

     時代と並走し続ける評論家が古今東西のスポーツ映画と縦横無尽に組み合う。100本を順位をつけて紹介しているが、ただのランキング本ではない。

     はじめに著者は〈映画とスポーツは相性がよい〉と書き、その〈間柄〉を一本一本の作品を通して読み解いていく。作品が映し出すものと、自分の体に蓄積させてきた豊かな知識、記憶、体験を交錯させながら。肉体と頭脳とハートは〈映画の基本にして、スポーツの基本〉と指摘しているが、読むほどに、それは映画への向き合い方の基本でもあると感じる。映画とスポーツの魅力、味わい方の極意が詰まった一冊なのだ。

     1位にしたボクシング映画の語り口を〈静かで重心の低い平叙体〉と評する。さりげない深みを感じさせる著者の文章もまさにそうではないか、とも思う。(文春新書、980円)(恩)

    2018年11月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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