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    読売新聞の書評担当記者が選ぶおすすめの1冊です。

    『中国経済講義』 梶谷懐著

     「脅威論」から「崩壊論」まで、中国経済関連の書籍は盛んに出版されている。本当のところはどうなのか、冷静かつ実証的に解説してくれるのが本書だ。

     例えば中国の経済統計について、著者はデータを用いながら、精度は高くないが一定の傾向はあると論じ、侮りを戒める。中国が経済力でアメリカを抜くのも、将来的にはほぼ間違いないとする。そのほか不動産バブル、「農民工」の労働問題などが説明される。

     近代的な制度がほとんど及ばない領域がある一方、社会のIT化など日本よりはるかに進んだ面もある「まだらな発展」が生む、「独特のダイナミズム」。権威主義的な政府と非民主的な社会と、自由闊達かったつな民間経済とが織りなす共犯関係。不可解だがどこか魅力的な、怪しい力があるようだ。(中公新書、880円)(佑)

    2018年11月21日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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